Claude Code 2.1.63アップデート解説:新機能「/simplify」「/batch」と大幅な安定性向上
Anthropicが提供するCLI型AIエージェントであるClaude Codeのバージョン2.1.63(2026年2月末リリース)では、大規模なコード変更やレビューを自動化する新しいスラッシュコマンドの追加に加え、長時間利用時のメモリリーク問題が多数修正されました。
本記事では、このアップデートで具体的に何が変わり、開発者のワークフローがどう改善されたのかを解説します。
開発を加速させる2つの新コマンド
今回のアップデートの最大の目玉は、コードの品質管理と大規模なリファクタリングをAIエージェントに委譲できる2つの新しいスラッシュコマンドの追加です。
1. コード品質を改善する「/simplify」
/simplifyは、コードの可読性向上やリファクタリングを自動化するコマンドです。
並列エージェントを稼働させ、不要なコード(デッドコード)の削除、非効率なパターンの修正、さらにはプロジェクト独自のCLAUDE.mdに定義されたルールが守られているかの品質チェックを自動で実行します。これにより、人間が行っていたコードレビューの初期段階(静的解析に近い品質チェック)をAIに任せることが可能になります。
2. 大規模な変更を並列処理する「/batch」
/batchは、大規模なコード移行や一括変更を効率的に処理するコマンドです。
このコマンドを実行すると、Claude Codeは複数の分離されたエージェントを個別のGitワークツリー(Worktree)ごとにスピンアップさせます。各エージェントが並行してコードを変更し、テストを実行した上で自動的にPull Request(PR)を作成するため、開発者はマイグレーション作業の待ち時間を大幅に削減できます。
ワークフローを改善する新機能と変更点
コマンドの追加以外にも、開発環境との統合や使い勝手を向上させる複数の機能が導入されています。
- HTTP Hooksの追加
従来のシェルコマンドを実行するフック機能に加え、指定したURLに対して直接JSONをPOSTし、JSONレスポンスを受け取るHTTPフックが追加されました。これにより、外部のWeb APIやWebhookとの連携が容易になりました。 - Git Worktree間での設定共有
プロジェクトの設定(Project configs)とAIの学習コンテキスト(Auto memory)が、同一リポジトリ内の複数のGitワークツリー間で自動的に共有されるようになりました。ブランチを切り替えて並行作業を行う際のコンテキストの断絶を防ぎます。 - MCPサーバーのオプトアウト機能
環境変数に ENABLE_CLAUDEAI_MCP_SERVERS=false を設定することで、claude.aiのMCPサーバーへの接続を無効化(オプトアウト)できるようになり、セキュリティ要件の厳しい環境での制御が容易になりました。 - UIとコマンドの改善
/modelコマンドを実行した際、現在アクティブなモデルがメニュー上に直接表示されるようになりました。また、/copyコマンドには「Always copy full response(常にフルレスポンスをコピーする)」オプションが追加され、コードブロックの選択画面をスキップして全文を即座にコピーできるようになっています。 - VS Code連携の強化
リモートセッションが会話履歴に正しく表示されるようになり、セッションリストからの名前変更や削除アクションがサポートされました。
長時間セッションを安定させるメモリリークの大規模修正
バージョン2.1.63では、新機能の追加と同等に「安定性とパフォーマンスの向上」が重視されています。長時間のセッションで動作が重くなる原因となっていた多数のメモリリーク(メモリの解放漏れ)が修正されました。
- 通信・リスナー関連の修正:BridgeポーリングループやWebSocketリスナー、MCP OAuthフローのクリーンアップ時におけるリスナーのリークが修正されました。
- キャッシュ関連の修正:長時間のセッションで際限なく肥大化していたBashコマンドのプレフィックスキャッシュ、Gitルート検出キャッシュ、JSON解析キャッシュのメモリリークが解消されました。
- サブエージェントの最適化:マルチエージェントセッション(/batchや/simplifyなど)において、タスクが完了したサブエージェントの状態を適切に解放することで、メモリ使用量が大幅に改善されています。
