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Perplexityが自律型エージェント「Computer」と「Personal Computer」を発表:Mac miniが24時間稼働のAIに

2026年2月末から3月にかけて、AI検索エンジンを提供するPerplexityは、ユーザーの代わりにソフトウェアを直接操作して自律的にタスクをこなすAIエージェントプラットフォーム「Computer」と、それをローカルのMac mini上で24時間稼働させる「Personal Computer」を発表した。

本記事では、クラウドとローカルを融合させたこの次世代AIアシスタントの仕組みと、セキュリティ対策、および利用料金について客観的な事実に基づいて解説する。

クラウド型オーケストレーション「Perplexity Computer」

2026年2月25日に先行してリリースされた「Computer」は、ブラウザやアプリ上の複数のステップを自律的にこなすクラウドベースのAIエージェントである。

  • 20種類のAIモデルを自動使い分け: 最大の特徴は、単一のAIモデルに依存しない点にある。ユーザーから「市場調査とプレゼン資料の作成」といった複雑な指示を受けると、タスクを細分化し、コーディングにはClaude、リサーチにはGemini、単純作業にはGrokなど、約20種類の最先端モデルから最適なものを自動で割り当てる(オーケストレーション機能)。
  • サブエージェントによる非同期処理: エラーが発生した場合は自らサブエージェントを生成して自己修復を試みる。バックグラウンドで数時間から数ヶ月にわたってタスクを継続できる。

ローカル環境と融合する「Personal Computer」の衝撃

続いて3月11日、サンフランシスコで開催された開発者会議「Ask 2026」にて、このクラウドシステムをユーザーの物理的なハードウェアと直接結びつける「Personal Computer」が発表された。

  • Mac miniをAI専用サーバー化Macworldなどの報道によると、これはハードウェア製品ではなく、ユーザーが用意した「Mac mini」にインストールするソフトウェアである。Mac miniを常にオンにしておくことで、AIがローカルのファイルシステムやデスクトップアプリに24時間365日アクセスし続けることが可能になる。
  • コンテキストスイッチの削減: ユーザーが寝ている間やPCから離れている間でも、AIがSlackの監視、Excelの集計、メールのトリアージなどの作業を継続する。「チャット画面を閉じたら終わる」従来のAIアシスタントとは一線を画すアプローチである。

セキュリティ制御と高額な料金設定

PCの全権限をAIに委ねる性質上、厳格なガバナンスと引き換えに高額な料金が設定されている。

  • キルスイッチと監査ログ: AIが勝手に重要なファイルを削除したり誤送信したりするのを防ぐため、機密性の高いアクションにはユーザーの明示的な承認(Human-in-the-loop)が要求される。また、すべてのセッションは完全な監査証跡(ログ)として記録され、即座にAIの動作を強制終了させる「キルスイッチ」も搭載されている。
  • 月額200ドルのエンタープライズ価格Forbes等によれば、この機能を利用するには、月間10,000コンピュートクレジットが含まれる最上位プラン「Perplexity Max(月額200ドル)」への加入が必要となる。初期リリース時はMac専用であり、現在はウェイトリスト形式での提供となっている。

Perplexityのこのアプローチは、AIが単なる「対話型インターフェース」から「自律的にローカルPCを操作するデジタル従業員」へと完全に移行したことを示している。

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