マイナ保険証・資格確認書がない人はどうなる?受診時に全額負担を避ける対処法【2026年8月1日完全移行】
引き出しの奥から出てきた紙の健康保険証、まだ使えると思っていませんか。2026年8月1日から、医療機関・薬局での保険資格の確認方法が大きく変わりました。「マイナ保険証も資格確認書も手元にない」「資格確認書がまだ届かない」という人向けに、受診時に医療費を全額請求されずに済む具体的な手段を、2026年8月8日時点の公的情報にもとづいて整理します。
【結論】保険証代わりがなくても、10割負担が確定するわけではない
まず結論です。マイナ保険証も資格確認書も手元にない状態でも、健康保険の加入資格そのものがあれば、通常の自己負担割合(3割等)で受診できる可能性は十分に残っています。
厚生労働省は、マイナ保険証で受付ができない場合の対応として、マイナポータルの資格情報画面の提示や「資格情報のお知らせ」との組み合わせ、窓口での申立てといった複数の方法を案内しています(厚生労働省「資格確認方法について」)。

(出典: 厚生労働省「資格確認方法について」)
つまり「保険証がない=いきなり10割負担」ではありません。ただし、何も提示できずオンライン資格確認もできない場合は、窓口でいったん全額を求められることがあります。
何が変わった?2026年8月1日完全移行までの流れ
紙の健康保険証をめぐる制度変更は、次のような順序で進んできました。
- 2024年12月2日: 紙の健康保険証の新規発行が終了
- 2025年12月1日まで: 既発行分も最長1年の経過措置を経て、順次有効期限切れに(第一生命経済研究所レポート)
- 2026年7月31日: 期限切れの紙の保険証を経過的に使える暫定措置が終了
- 2026年8月1日: 原則としてマイナ保険証か資格確認書のいずれかによる資格確認へ完全移行(厚生労働省)
2026年8月1日以降、期限切れの紙の保険証を出しても「保険証忘れ」と同じ扱いになります。
現在使われている3つの書類の違いは次のとおりです。
| 名称 | 何ができるか | 主な対象 |
|---|---|---|
| マイナ保険証 | これ1枚で資格確認が可能 | 利用登録済みでカード・電子証明書が有効な人 |
| 資格確認書 | これ1枚で資格確認が可能(申請不要・無償交付) | マイナ保険証を持たない・使えない人 |
| 資格情報のお知らせ | 単独では不可。マイナンバーカードとセットで提示 | マイナ保険証を継続的に使っている人 |

(出典: 厚生労働省「資格確認方法について」)
自分は資格確認書の対象?パターン別にチェック
資格確認書は、マイナンバーカードを持っていない人、マイナ保険証の利用登録をしていない人、登録解除を申請した人、カードの電子証明書が失効した人などに、申請不要で加入先の医療保険者から無償交付されます(厚生労働省)。
厚生労働省の基本方針では、交付の振り分けはおおむね次のように整理されています(文京区の案内)。
| 加入者の状況 | 交付されるもの |
|---|---|
| 84歳以下+直近1年にマイナ保険証を6回以上利用し、概ね直近3か月以内にも利用実績あり | 資格情報のお知らせ |
| 84歳以下+上記に当てはまらない | 資格確認書(職権交付) |
| 85歳以上 | 資格確認書(職権交付) |
注意したいのは発送時期です。資格確認書がいつ届くかは、協会けんぽ・健康保険組合・市区町村国保・後期高齢者医療広域連合など保険者ごとに異なり、全国一律の日程は確認できませんでした。届く時期は加入先の保険者の案内で確認してください。手続きの細かな運用が保険者によって異なる点は、このあとの対処法でも触れます。
受診時に保険証代わりがない場合の対処法【優先順位つき】
窓口で「何も持っていない」となったときは、上から順に試すのが現実的です。上にある方法ほど、通常の自己負担割合のまま受診できる可能性が高くなります。
- マイナポータルの資格情報画面を提示する — マイナポータルにログインし、加入している保険の資格情報を表示して見せる方法です。マイナ保険証の利用登録をしていない場合にこの画面をそのまま表示できるかどうかは、本記事で確認できた情報の範囲では断定できません。利用登録をしていない方は、次に紹介する2・3の方法もあわせて検討してください。

(出典: 厚生労働省「資格確認方法について」)
- 「資格情報のお知らせ」+マイナンバーカードを提示する — この組み合わせでも通常の自己負担割合で受診できるとされています(協会けんぽ)。
- 窓口で「被保険者資格申立書」に記入する — 資格はあるのに「資格無効」「資格情報なし」と表示された場合や、医療機関側の機器不良でオンライン資格確認ができない場合に限って使える仕組みです。

(出典: 厚生労働省「資格確認方法について」)
なお、この被保険者資格申立書が使える条件は協会けんぽの案内にもとづくものです。保険者によって運用が異なる場合がある点は前述の発送時期と同様なので、心配な場合は加入先に確認しておくと安心です。
- それでも確認できなければ、いったん全額(10割)を支払う — 後日、加入する保険者に領収書等を添えて療養費の支給申請を行えば、本来の自己負担分を超えた額の還付を受けられます。申請期限は支払った日の翌日から2年以内が一般的です。
「登録しているのに使えない」原因は電子証明書の期限切れかも
見落とされがちなのが、マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書の有効期限です。この期限は「発行日から5回目の誕生日」で、カード本体の有効期限(10年、未成年は5年)とは別に到来します(政府広報オンライン)。
電子証明書が失効すると、利用登録をしていてもマイナ保険証として使えなくなります。「登録したはずなのに窓口で読み取れない」というケースの一因がこれです。

(出典: 厚生労働省「資格確認方法について」)
期限のおよそ2〜3か月前には、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から有効期限通知書が郵送されます。心当たりのある封筒を放置していないか、この機会に確認しておきましょう。
資格確認書が届かない・失くした場合の問い合わせ先
資格確認書が届かない原因としては、住所変更届の未提出、発送時期がまだ来ていないこと、郵便事故や転送不可による受取漏れなどが挙げられています(大田区の案内)。特に引っ越し後に届け出をしていないケースは要注意です。
問い合わせ先は加入している保険の種類によって異なります。会社員なら勤務先の健康保険組合または協会けんぽの支部、自営業・無職なら市区町村の国民健康保険担当課、75歳以上なら後期高齢者医療広域連合または市区町村の担当窓口が窓口になります。再交付の手続きも同じ窓口です。
なお、上野賢一郎厚生労働相は2026年8月1日の完全移行にあたり、追加の延長は想定していないとしたうえで、マイナ保険証か資格確認書のいずれかが手元にあるか改めて確認してほしいと呼びかけたと報じられています(報道記事。一次の会見資料は確認できていません)。
まとめ|今日やっておくべき3つの確認
制度が変わっても、やることはシンプルです。受診の直前に慌てないよう、次の3点を今日のうちに確認しておきましょう。
同居する家族がいる場合は、自分だけでなく家族一人ひとりについても同じ観点で確認しておくと安心です。特に子どもや高齢の親は本人が状況を把握していないことも多いため、マイナ保険証の利用登録状況や資格確認書の有無を代わりに確認してあげましょう。
- 自分と家族それぞれについて、マイナ保険証が使える状態か(利用登録済みか)
- 資格確認書または資格情報のお知らせが手元にあるか、封筒を開けずに放置していないか
- マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書の有効期限が切れていないか
もし何も見当たらない場合は、受診前に加入している保険者へ連絡するのが最短ルートです。制度の運用や発送スケジュールは保険者によって異なるため、最終的な判断は必ず加入先や厚生労働省の公式ページで最新情報を確認してください(本記事は2026年8月8日時点の情報です)。
