予定納税「第2期だけ」減額申請|2026年は11月16日(月)が実質締切【対象・書き方】
7月に予定納税の第1期分を納めたあと、売上が落ちて11月の第2期分が重い。個人事業主やフリーランスにはよくある状況です。予定納税は前年の実績で機械的に決まるため、今年の所得が減っていても通知額は下がりません。
ただし、第2期分だけを対象にした予定納税の減額申請が11月にあります。7月の申請を逃した人にとっては、この年で最後のチャンスです。
結論
やることは「減額申請書を1通出す」だけです。まず要点を整理します。
| 項目 | 内容(2026-08-28時点) |
|---|---|
| 受付期間 | 2026年11月1日〜15日(15日が日曜のため実質締切は11月16日(月)) |
| 対象 | 10月31日現在の現況で見積もった今年の税額が、通知された予定納税基準額を下回る見込みの人 |
| 提出物 | 「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」(様式A1-3) |
| 提出先 | 納税地の所轄税務署長(e-Tax・郵送・窓口のいずれか) |
| 変わるもの | 11月30日までに納める第2期分の金額そのもの |
減額申請書は、第1期・第2期をまとめて減らす場合は7月1日〜7月15日、第2期分だけを減らす場合は11月1日〜11月15日に提出します(国税庁 A1-3 予定納税額の減額申請手続、2026-08-28時点)。
2026年(令和8年)は11月15日が日曜日にあたります。国税の申請・申告期限が日曜・祝日と重なる場合に翌開庁日へ繰り下がることは、国税通則法10条2項に定められた一般原則です。この法律上の原則に基づき、複数の税理士事務所の解説も令和8年分の第2期のみの減額申請の実質締切を11月16日(月)としており、単なる慣例ではなく法的根拠のある繰り下げです。ただし、国税庁が令和8年分についてこの日付を名指しで告知したページは本記事の調査時点で確認できていないため、提出前に国税庁の案内(前掲リンク)で最終日を再確認したうえで、余裕を持って提出してください。
あなたは対象か(1分チェックリスト)

出典: Pixabay
そもそも予定納税の対象になるのは、その年5月15日現在で確定している前年分の申告納税額(源泉徴収税額を差し引いた後)=予定納税基準額が15万円以上の人です。対象者には税務署から6月15日までに「予定納税額の通知書」が届きます(国税庁 No.2040 予定納税、2026-08-28時点)。
そのうえで、次のうち1つでも当てはまり、今年の申告納税見積額(=今年分の所得税及び復興特別所得税の見込み額)が予定納税基準額を下回る見込みなら、減額申請の検討対象です。
- 「予定納税額の通知書」が届いている(=前年分の申告納税額が15万円以上)
- 廃業・休業・失業した
- 業況不振や主要取引先の減少で、今年の所得が前年より明らかに少なくなる見込み
- 災害・盗難・横領で事業用資産や住宅・家財に損害を受け、雑損控除などの対象になる
- 医療費控除を新たに受けられる、または前年より医療費控除額が増えた
- 配偶者控除・扶養控除など、所得控除や税額控除が前年より増えた
予定納税額の計算の基礎となった前年分の所得等の状況に比較し、廃業、休業又は失業、業況不振等により、本年分の所得が前年分の所得よりも明らかに少なくなると見込まれる場合
(国税庁「A1-3 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請手続」の要旨、2026-08-28時点)
7月に申請していなくても、11月だけの申請ができる
減額申請というと7月の印象が強いですが、11月にも第2期分だけを対象にした受付があります。7月に出し忘れた人、7月時点ではまだ売上の落ち込みが読めなかった人にとって、11月は仕切り直しのタイミングです。
重要なのは基準日です。第2期分のみの減額申請では、申告納税見積額を「10月31日現在の現況」で計算します。7月申請(両期分を減らす場合)の6月30日現在とは基準日が違うので、9月・10月に業況が悪化したケースはここで反映できます。
減額申請で第2期分はいくら変わるか(試算例)
金額のイメージを持つために、前提を置いた単純な例で見ていきます。予定納税基準額が30万円(第1期・第2期とも各10万円)の人が、今年の申告納税見積額を18万円と見積もったケースです。
第2期分だけを減額する場合、第1期分はさかのぼって変更されません。11月に納める金額は「申告納税見積額の3分の2」から「すでに納付済みの第1期分」を差し引いて計算します。
| 項目 | 減額申請をしない場合 | 減額が認められた場合(例) |
|---|---|---|
| 基準となる税額 | 予定納税基準額 30万円 | 申告納税見積額 18万円 |
| 第1期分(7月納付・納付済み・変更なし) | 10万円 | 10万円 |
| 第2期分(11月納付) | 10万円 | 2万円(18万円×3分の2−10万円) |
| 11月の負担差 | — | 8万円少ない |
第2期分だけの減額申請では第1期分がすでに固定されているため、見積額を単純に3等分するのではなく、見積額の3分の2から第1期の納付済み額を差し引いた金額が11月の納付額になります。残る3分の1相当額は翌年の確定申告で最終精算されますが、資金繰りが厳しいのは11月の側です。
なお、この試算はあくまで前提を単純化した一般例です。実際の金額は所得控除や税額控除の内容で変わり、減額されるかどうかは税務署長の判断によります。正確な計算は国税庁の確定申告書等作成コーナーを使うか、所轄税務署・税理士に確認してください。
税制改正の影響についても補足します。令和8年度税制改正の基礎控除の見直しが申告納税見積額の計算にどう反映されるかは、税理士事務所の解説でも記載が分かれており、本記事では断定しません。この点こそ、自己判断せず税務署や税理士に確認すべき部分です。
減額申請の手順6ステップ

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やること自体は多くありません。10月末の数字が出てから動けば間に合います。
- 国税庁サイトから「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」(様式A1-3)を入手する
- 10月31日現在の売上・経費・見込み所得を集計する
- 所得控除・税額控除を反映して、今年の申告納税見積額を計算する
- 申請書に見積額の計算根拠と、減額を必要とする理由を記入する
- 計算根拠となる書類(試算表、収支の見込み計算書など)を用意する
- e-Tax・郵送・税務署窓口のいずれかで、納税地の所轄税務署に提出する
理由欄の書き方と添付書類の考え方
理由欄は「業況不振のため」のような一言だけでは弱く、事実と数字を添えて具体的に書くのが実務上の定石とされています。当てはまる事由に応じて、例えば次のように書きます。
- 業況不振:「主要取引先の取引停止により、売上が前年比◯%減少したため」
- 廃業・休業・失業:「本年◯月に事業を廃止(休業)したため」
- 雑損控除の対象となる損害:「本年◯月の災害(盗難・横領)により事業用資産に損害を受け、雑損控除の対象となる見込みのため」
- 医療費控除の増加:「本年中に医療費控除の対象となる医療費を新たに支出したため」
添付書類は、申告納税見積額の計算根拠を示す試算表や収支の見込み計算書などが一般的とされていますが、理由によって必要な書類は異なり、公式に一覧化された基準は確認できていません。迷う場合は提出前に所轄税務署へ確認するのが確実です。
期限とスケジュール早見表

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第1期と第2期で日付が入り組むので、冒頭の結論表にはまだ出ていない日付を中心に時系列で並べます。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 6月15日まで | 「予定納税額の通知書」が届く |
| 7月1日〜7月15日 | 第1期・第2期分をまとめて減らす減額申請の受付 |
| 7月1日〜7月31日 | 第1期分の納付期間 |
| 10月31日 | 第2期分のみの申請で使う「現況」の基準日 |
第2期分のみの減額申請の受付(11月1日〜15日、2026年は16日(月)まで)と、第2期分の納付期限(11月30日)は、冒頭の結論表のとおりです。この2つは別物である点に注意してください。減額申請の締切(11月中旬)に間に合わなければ、その先に待っているのは通知額どおりの納付です。
申請しなかった・間に合わなかった場合はどうなるか
減額申請をしなかった場合、または申請が認められなかった場合は、通知された第2期分の予定納税額をそのまま11月30日までに納めることになります。所得が減っていても、納付そのものが免除されるわけではありません。
払いすぎになった分は翌年の確定申告(原則2027年2月16日〜3月15日ごろ)で精算され、還付を受けられます。とはいえ、精算までは数か月あります。年内の手元資金を確保したいなら、11月中旬の申請期限に間に合わせる価値は十分にあります。
まとめ
第2期分だけの予定納税の減額申請は、受付が11月1日〜15日、2026年は11月16日(月)が実質の締切です。対象は10月31日現在の現況で今年の税額を見積もった結果、予定納税基準額を下回る見込みの人。出すのは減額申請書1通だけです。
今日やることは1つに絞れます。国税庁の減額申請手続のページを開いて様式A1-3を確認し、10月31日時点の見込み所得を出す準備(帳簿の締め、試算表の用意)にかかってください。
見積額の計算や添付書類に迷ったら、自己判断で止まらず、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使うか、所轄税務署・税理士に相談するのが早道です。期限・様式・取扱いは変更されることがあるため、提出前に国税庁 No.2040 予定納税で最新の案内を確認してください。
