雨が降る都市の高層住宅のイメージ
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【台風シーズンに要注意】マンション・アパートが停電で断水する仕組みと備え5ステップ|加圧ポンプ方式は特に危険

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結論:マンションの停電が断水に直結するのは「加圧ポンプ方式」だから

台風で停電したとき、蛇口から水が出るかどうかは、建物の「給水方式」でほぼ決まります。電気で動くポンプが水を各戸へ押し上げている建物なら、停電した瞬間に給水も止まります。ここを知っておくだけで、備えの優先順位がはっきりします。

ポンプに頼る代表例が、給水管に増圧ポンプを付けて中高層階まで送る「直結増圧方式」と、受水槽から加圧ポンプで各戸へ送る「ポンプ直送方式」です。水道本管に水圧が残っていても、ポンプが止まれば上の階には届きません(MIJもっとわくわくマンションライフ)。本記事では、この2つの方式(直結増圧方式・受水槽+ポンプ直送方式)をまとめて「加圧ポンプ方式」と呼びます。

一方、屋上の高置水槽に貯めた水を重力で流す方式なら、停電中でも水槽に残った分は使えます。非常用電源(自家発電設備)が設置されている建物では、停電中もポンプを動かして給水を続けられます。貯留機能を持たない直結給水方式については、東京都水道局が「事故や災害時等に、貯留機能がないため断水することがある」と注意を呼びかけています。

やることは2つだけです。「自分の建物がどの方式かを知る」、そして「方式に応じて水を確保しておく」。この記事では、その手順を5ステップに整理します。

雨が降る都市の高層住宅のイメージ

なぜ今、この備えが必要なのか(2026年の台風シーズン)

日本気象協会(Weather X)が2026年7月30日に発表した予想では、9月の台風発生数・日本への接近数はいずれも平年並み、10月は発生数が平年並みか少なめ、接近数は平年並みとされています(発表時点の見通しです)。

注目したいのは、同じ発表が「接近数が平年並みでも、台風の強さや進路、移動速度によって影響が大きくなる可能性がある」と注記している点です。回数が平年並みだから安心、とは読めません。

しかも停電は、台風本体の勢力の大小にかかわらず、近所の電柱や電線の被害だけで起きることもあります。台風で停電・断水を経験した個人ブログ「cozy-nest」の2018年9月10日の投稿にも「トイレが流せず、手も洗えず」という描写が残っています。「うちのマンションは頑丈だから」ではなく「ポンプが止まったら水はどうなるか」で考えるのが実用的です。

渦を巻く雲と台風の目が写った衛星画像

給水方式の種類と、停電時にどうなるか

東京都水道局によると、建物への給水方式は主に次の4種類です。停電したときの挙動は、方式によって大きく変わります。

給水方式 仕組み 停電したときの給水
直結直圧方式 配水管の水圧だけで給水(3階程度までの低層向け) ポンプを使わないため影響を受けにくい
直結増圧方式 給水管に増圧ポンプを設置し中高層階まで直結給水(受水槽なし) ポンプ停止で給水も停止。非常用電源があれば継続可能
受水槽+高置水槽方式 受水槽の水をポンプで屋上へ上げ、自然流下で各戸へ給水 水槽に残った水は使えるが、量には限りがある
受水槽+ポンプ直送方式 受水槽から加圧ポンプで直接各戸へ送る 受水槽に水があってもポンプ停止で給水停止

3階建て程度の低層アパートでは、ポンプを使わない「直結直圧方式」が使われていることが多く、この場合は停電の影響を受けにくいと言えます。ただし建築年や設備更新によって方式は建物ごとに異なるため、「うちは低層だから大丈夫」と自己判断せず、最終的な確認は次章の方法で管理会社に取りましょう。

停電に弱いのは「直結増圧」と「ポンプ直送」

直結増圧方式は受水槽が不要でスペースや水質の面で有利なため、中規模マンションでは主流の方式です。ただし停電すると増圧ポンプが止まり、給水そのものが止まります。受水槽+ポンプ直送方式も、貯めた水を送り出す手段が電気頼みという点で同じ弱点を抱えています。

高置水槽があれば「少し粘れる」

高置水槽のある建物については、「停電となりポンプが止まっても高架水槽内の水は重力を使って供給するため、ポンプ稼働の有無に関わらず高架水槽内の水を各戸に供給できる」と説明されています(もっとわくわくマンションライフ)。

ただし水槽の容量は無限ではありません。水位が下がれば受水槽からくみ上げる必要があり、停電が長引けば供給は止まります。「停電から何時間もつか」は受水槽の容量・居住者数・時間帯で変わるため、具体的な時間は管理会社に確認するのが確実です。

自分のマンション・アパートの給水方式を確認する方法

管理会社・管理組合に聞くのが最短ルート

確実なのは管理会社・管理組合への問い合わせです。手元にある重要事項説明書や設備図面、建築確認済証にも記載があります(株式会社桜井)。聞くことは次の3点に絞れば十分です。

  • 給水方式はどれか(直結直圧/直結増圧/受水槽+高置水槽/受水槽+ポンプ直送)
  • 停電時に給水を続けられる非常用電源はあるか
  • 停電時に住民が取水できる蛇口(非常用給水栓)はあるか、ある場合はどこか

外観から分かること・分からないこと

屋上に水槽が載っていれば受水槽(高置水槽)方式の可能性が高く、遠景やマンションのパンフレット写真でも確認できる場合があります。一方で増圧ポンプは地下や機械室など建物内部にあるため、外から見て判別するのはほぼ不可能です。外観だけで決めつけず、最後は管理会社の回答で確かめてください。

屋上に並ぶ水タンク群(高置水槽のイメージ。海外の集合住宅の例)

出典: Water Tanks on the Roof by BohunkaNika / CC BY-SA 4.0

台風接近前にやっておきたい備え5ステップ【チェックリスト】

  • 給水方式と非常用電源の有無を確認する
  • 浴槽に生活用水を貯める
  • 飲料水を1人1日3リットル分用意する
  • 携帯トイレを必要回数分そろえる
  • 非常用給水栓の場所と取水ルールを確認する

ステップ1 給水方式と非常用電源を確認する

まず前章の3つの質問を管理会社・管理組合に投げておきましょう。台風が近づいてからでは電話がつながりにくくなるため、平時のうちに聞いておくのが肝心です。方式が分かれば「水が止まる前提で備えるか、少し余裕があるか」の判断ができます。

ステップ2 浴槽に生活用水を貯める

トイレや掃除に使う生活用水は、1人1日20〜30リットルが目安とされています(川崎市上下水道局など自治体案内)。一般的な浴槽の容量は約180〜200リットルなので、満水にしておけば数日分の生活用水をまかなえます。

貯水は台風の最接近前日までに、早めに済ませるのが安心です。小さな子供やペットがいる家庭では転落事故を防ぐため、浴室のドアに施錠するなどの配慮も忘れないでください。

水が入っていない浴槽

ステップ3 飲料水を1人1日3リットル用意する

飲料水は1人1日3リットルが目安です。浴槽の水は飲用には向かないため、ペットボトルや保存水で別に確保します。数値は自治体によって多少異なるので、お住まいの自治体・水道局の案内も確認しておくと確実です。

ステップ4 携帯トイレを備える

断水して困るのはトイレです。便器にポリ袋を被せ、凝固剤や吸収シートで処理する携帯トイレが役立ちます。備蓄量の目安として、1日の排泄回数を5回として「人数×日数×5回」で計算する考え方が紹介されています(日本トイレ研究所)。あくまで目安なので、家族の実情に合わせて調整してください。

ステップ5 非常用給水栓と取水ルールを確認しておく

建物によっては、受水槽や加圧ポンプの流入側に設置された非常用給水栓から取水できる場合があります。設備の有無や場所は建物ごとに違うため、配管保全センターは「停電時に取水できる方法や場所をあらかじめ確認しておき、取水のルールを決めて住民内で共有しておくこと」を勧めています。停電の最中に慌てて探す事態を避けられます。

停電から断水してしまったら(応急対応)

断水しても、自治体・水道局が応急給水の拠点を開設します。東京都水道局や川崎市の案内によると、災害時給水ステーション(応急給水拠点)や給水車で水を配る体制があり、開設情報は水道局ホームページ・水道局アプリ・防災行政無線・広報車・SNSなどで周知されます。

取水・持ち帰りの注意点

取水に行くときは運べる容器が必要です。ポリタンクや折りたたみ式のウォータータンクがあると、給水拠点から自宅まで無理なく持ち帰れます。エレベーターが止まっているときは、小分けにして複数回運ぶほうが安全です。

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管理会社・管理組合には「復旧見込み」と「非常用給水栓を開けてもらえるか」を確認しましょう。受水槽や高置水槽がある建物なら、残った水の扱いについて指示が出ることもあります。

まとめ

停電で断水するかどうかは、マンション・アパートの給水方式次第です。加圧ポンプで水を押し上げている建物(直結増圧方式・受水槽+ポンプ直送方式)では、停電がそのまま断水につながります。一方で高置水槽があれば、残った水でしばらくしのげます。

今日まず確認したいのは1つだけ。「自分の建物の給水方式はどれか」です。管理会社・管理組合へのひと言の問い合わせ、あるいは手元の重要事項説明書を開くところから始めてみてください。

方式が分かったら、浴槽の貯水・飲料水・携帯トイレの3点に加えて、非常用給水栓の場所と取水ルールも確認しておけば、台風が近づいても落ち着いて迎えられます。本記事の内容は2026-09-12時点の情報です。詳細は管理会社やお住まいの自治体・水道局の最新案内で確認してください。

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