au Starlink Directと楽天最強衛星サービスを比較|スマホの衛星通信はいつから使えるか【2026年8月時点】
登山中や離島、災害時に「圏外」で困った経験はないでしょうか。空さえ見えれば衛星経由でスマホがつながる時代が、日本でもすでに始まっています。
ただ、キャリアごとに開始時期も使える機能もバラバラです。この記事では衛星通信のスマホ対応をau・楽天を軸に比較し、「自分の回線で今日何ができるか」を整理します。

結論|auはすでに使える、楽天最強衛星サービスは2026年第4四半期予定
先に答えを書きます。auの「au Starlink Direct」は2025年8月28日にデータ通信へ対応済みで、2026年8月11日時点ですでに使えます。一方、楽天モバイルの「Rakuten最強衛星サービス」は2026年第4四半期(10〜12月)の提供開始予定で、まだ使えません。
ドコモとソフトバンクも2026年春に追随しました。主要4社の状況は次のとおりです。
| キャリア | サービス名 | データ通信の提供状況(2026-08-11時点) |
|---|---|---|
| au | au Starlink Direct | 2025年8月28日にデータ通信開始(提供中) |
| ソフトバンク | SoftBank Starlink Direct | 2026年4月10日提供開始 |
| ドコモ | docomo Starlink Direct | 2026年4月27日提供開始 |
| 楽天モバイル | Rakuten最強衛星サービス | 2026年第4四半期(10〜12月)提供予定 |
つまり「衛星通信をいつから使えるか」への答えは、楽天ユーザー以外はすでに「今日から」です。楽天ユーザーだけが待ちの状態にあります。
au Starlink Directで今すぐできること(対応機種・料金・アプリ)

出典: KDDI News Room
au Starlink Directは2025年4月にSMSなど限定機能で始まり、同年8月28日にデータ通信対応へ拡張されました。KDDIはこれを世界初の衛星データ通信サービスと位置づけています(KDDI News Room)。
使える場所は国内のau 5G/4G LTEエリア外です。auの人口カバー率は99.9%超ですが、面積カバー率は約60%にとどまります。衛星は残る約40%の面積、つまり山間部・離島・領海・フェリー航路などを埋める役割を担います。
対応機種は90機種まで拡大(2026年6月時点)
データ通信開始当初の対応機種は、Google Pixel 10シリーズ4機種(Pixel 10/10 Pro/10 Pro XL/10 Pro Fold)とGalaxy Z Fold7/Flip7の2機種、合計6機種でした。その後2025年10月15日にXperia・AQUOS・Xiaomiなど35機種が追加されるなどして、対応機種は同年内に62機種以上へ拡大しています。
さらにau公式サービスページによると、2026年6月時点でiPhoneやApple Watchを含む90機種が対応済みです。対応機種は順次拡大中のため、実際の可否は対応機種一覧で確認してください。
料金|au契約者は追加料金なし
料金体系は契約回線によって分かれます。2026-08-11時点の内容は下表のとおりです。
| 契約 | 月額料金 |
|---|---|
| au契約者 | 追加料金なし |
| UQ mobile対象プラン(コミコミプランバリュー/トクトクプラン2) | 2026年5月利用分から無料 |
| 上記以外のUQ mobile契約者 | 550円 |
| 他社回線ユーザー(専用プラン+) | 1,650円 |
au回線を使っているなら、申し込みや追加負担なしで恩恵を受けられる形です。詳細はau Starlink Direct専用プラン+の案内を参照してください。
使えるアプリと、できないこと
重要な制約があります。データ通信は「au Starlink Direct対応アプリ」経由に限られ、通常のWebブラウジングや動画視聴はできません。衛星回線の帯域が限られるためです。
対応アプリはGoogleマップ、Google Find Hub、YAMAP、ウェザーニュース、SmartNews、NewsPicks、X、auメールなどで、今後も拡大予定とされています。
実際に使うために契約者側で準備しておきたいのは、①手持ちの機種が対応機種一覧に載っているか確認すること、②対応アプリを事前にインストールしておくこと、③au 5G/4G LTEエリア外(衛星の対応エリア)にいることの3点です。「衛星モードのオン/オフ」のような特別な切り替え操作は公式情報には明記されておらず、対応エリアで対応アプリを使えばそのまま衛星経由の通信につながる仕組みです。

出典: KDDI News Room
Rakuten最強衛星サービスはいつから?わかっていること・未定なこと

出典: 楽天モバイル プレスリリース
楽天モバイルは米AST SpaceMobileと組み、「Rakuten最強衛星サービス Powered by AST SpaceMobile」を2026年第4四半期に国内提供する予定です。2025年4月23日には福島県の地球局経由で、市販スマホによる低軌道衛星ビデオ通話に国内で初めて成功しています。
提供時期は2026年第4四半期のまま
前倒しの観測もありました。2025年7月31日、楽天モバイルの矢澤俊介社長は社内イベントでこう述べています。
今、社内ではもう少し前倒しできるように頑張っている。来年の早い時期に楽天モバイルユーザーに対して、サービスを提供したいと思う
(ケータイWatch)
ただし2026年8月10日公開のITmedia Mobileのインタビューでも、開始時期は2026年第4四半期のままです。同記事で三木谷浩史氏は、Starlink方式との違いについて「短いメッセージは届きますがStarlinkとの根本的な違いがある」とし、AST SpaceMobileはブロードバンド帯域を提供できる点を優位性に挙げています。
対応機種は「既存のLTEスマホ」になる見込み
楽天方式の特徴は、衛星専用周波数ではなく地上で使っているLTEプラチナバンドをそのまま使う点です。三木谷氏はケータイWatchで、この点を大きなポイントだと説明しています。
そのため市販のLTE対応スマホであれば原則そのまま使えるとされ、専用機種への買い替えが不要になる想定です。ただし料金プラン・対応機種リスト・申込方法は2026-08-11時点でいずれも未発表で、公式発表を待つ必要があります。
iPhoneの衛星メッセージングとは別物
なお楽天モバイルでは、iPhone 14以降・Apple Watch Ultra 3を対象に、Globalstar社の衛星を使った「iMessage・SMSの送受信」「緊急SOS発信」「位置情報共有」といった機能が2026年3月26日から圏外でも使えるようになったと報じられています(アクティベーションから2年間無料とされます)。これはAppleの標準機能を楽天回線でも利用できるようにしたもので、AST SpaceMobileを使う最強衛星サービスとは別物です。楽天最強衛星サービスの提供開始を待つ間、圏外での安否確認手段としてこちらを先に使っておくという選択肢もあります。混同しないよう注意してください。※この機能の詳細は一次ソースでの確認ができていない情報のため、対応端末での設定方法は各自でご確認ください。
技術方式の違い|小型衛星600機 vs 巨大衛星50基

数字で見ると違いがはっきりします。auの衛星は約600機と数が多い一方で1機あたりは小型、高度約340kmを飛びながら1機で最大256ビーム(1ビーム直径約50km)を形成します。対して楽天が使うAST SpaceMobileの衛星は約50基と少数ですが、1基あたりのアンテナ面積は223平方メートルという巨大さです。「Direct to Cell」は衛星から直接スマホへ電波を届ける通信方式の名称、「2GHz帯(専用)」はKDDIがこの衛星通信のために自社だけで使う周波数帯を割り当てていることを指します。
| 項目 | au(Starlink Direct to Cell) | 楽天(AST SpaceMobile) |
|---|---|---|
| 衛星の数 | 約600機(2026年8月時点) | 約50基を配置予定 |
| 衛星のサイズ | 小型衛星を多数 | 1基あたりアンテナ面積223平方メートル |
| 高度 | 約340km(通常のStarlinkは約550km) | 低軌道 |
| 周波数 | KDDI自社の2GHz帯(専用) | 地上と同じLTEプラチナバンド |
| ビーム | 1機で最大256ビーム、1ビーム直径約50km | 大型アンテナで広域をカバー |
ここまで見てきたとおり、auは「多数の小型衛星と自社専用周波数で面を塗りつぶす」方式、楽天は「少数の巨大衛星で、地上と同じLTEプラチナバンドをそのまま使って広く受ける」方式です。技術的な詳細はケータイWatchの解説コラムが参考になります。
なお三木谷氏は、競合比で約36倍の広さを持つ衛星アンテナ、ビデオ通話やSNSまで含む用途の広さ、既存4G/LTEスマホでの利用可能性の3点を優位性として挙げています(ビジネスネットワーク)。ただし「36倍」の比較対象は明示されていないため、あくまで同社の主張として受け取るのが妥当です。
ドコモ・ソフトバンクを含む4社比較

ドコモは2026年4月27日に「docomo Starlink Direct」を開始し、「docomo MAX」「ahamo」など全プラン契約者、約2,200万人が当面無料で使えるとしています(NTTドコモ)。SMS送信・データ通信・位置情報共有・ファイル送受信に対応し、エリア外かつWi-Fi未接続で、遮蔽物のない屋外という条件があります。
ソフトバンクは2026年4月10日に「SoftBank Starlink Direct」をソフトバンク・ワイモバイル・LINEMO向けに開始しました。対象プランなら追加料金なしで、対応アプリはLINE・PayPay・Yahoo! JAPANなど計10種類です(ソフトバンク)。
2026-08-11時点の状況を一覧にまとめると、次のとおりです。
| 項目 | au | ドコモ | ソフトバンク | 楽天モバイル |
|---|---|---|---|---|
| 開始日 | 2025年8月28日 | 2026年4月27日 | 2026年4月10日 | 2026年Q4予定 |
| 料金 | au契約者は無料/他社1,650円 | 全プラン当面無料 | 対象プランは無料 | 未発表 |
| 対応アプリ | Googleマップ・YAMAP等 | データ通信・位置共有等 | LINE・PayPay等10種類 | 未発表 |
| 方式 | Starlink Direct to Cell | Starlink Direct to Cell | Starlink Direct to Cell | AST SpaceMobile |
2026年4月時点で主要3社がStarlink Direct方式で出揃い、KDDIは先行とサービス内容、ドコモ・ソフトバンクは無料対象の広さで訴求しているというITmediaの分析もあります。
まとめ|今日確認しておきたいこと
au・ドコモ・ソフトバンクのユーザーは、すでに衛星通信を使える立場にあります。まずは各社の対応機種一覧で手持ちの端末が対象か確認し、登山や旅行の前に対応アプリを入れておきましょう。
楽天モバイルユーザーは2026年第4四半期の公式発表待ちです。既存のLTEスマホがそのまま使える見込みという点で期待値は高く、楽天モバイルのニュースリリースを定期的に確認するのがおすすめです。
料金や対応機種は変動しやすい情報です。この記事の内容は2026-08-11時点のもののため、契約前には必ず各社公式サイトで最新情報を確認してください。
