【必要書類・費用も解説】株式会社設立の手順を5ステップで整理
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結論
株式会社設立の全体像|定款認証と設立登記の2段階で進む
株式会社設立を自分で進めたいけれど、何から手を付ければよいか分からない。必要書類や費用がいくらかかるのかも見えない。そんな個人事業主や共同創業者の方に向けて、手続きの流れを整理します。
株式会社設立の手順は「定款認証」と「設立登記」の2段階
株式会社の設立は、公証役場での「定款認証」と、法務局での「設立登記」の2段階で進みます。株式会社は定款認証を必ず受ける必要があり、ここが合同会社との大きな違いです(法務局)。
定款とは、会社の名前や目的などの基本ルールを定めた書類です。全体の流れと窓口は次のとおりです。

| ステップ | やること | 窓口・相手 |
|---|---|---|
| 1 | 定款を作成する | 発起人 |
| 2 | 定款認証を受ける | 公証役場 |
| 3 | 出資金を払い込み、払込証明書を作る | 銀行等の口座 |
| 4 | 登記申請書類を準備する | 発起人・設立時取締役 |
| 5 | 設立登記を申請する | 法務局 |
株式会社設立の費用は最低16.5万円前後から
法定費用は、定款認証手数料・印紙代・登録免許税の3つです。目安は次のとおりです(2026-10-23時点)。
| 費用 | 金額の目安 |
|---|---|
| 定款認証手数料 | 1万5,000円〜5万円 |
| 印紙代 | 紙の定款は4万円、電子定款は0円 |
| 登録免許税 | 資本金の0.7%(最低15万円) |
電子定款を使い、認証手数料が最も安い区分に当てはまる場合、合計は16万5,000円が最低ラインです。紙の定款なら印紙代4万円が上乗せされます。
ここからは、設立前の準備、5つのステップ、費用の内訳、つまずきやすい点の順に解説します。手続きの細部は法務局や公証役場の案内とあわせて確認しながら進めてください。
設立前に決めておくこと(準備するもの)
定款を作り始める前に、発起人同士で基本事項を決めておくと手戻りが減ります。発起人とは、会社を設立するために出資し、手続きを進める人のことです。
商号・事業目的・本店所在地・資本金額
会社の名前(商号)、事業の目的、本店を置く場所、資本金の額を決めます。どれも定款に書く内容です。
資本金の額は費用にも直結します。後述のとおり、定款認証手数料は資本金の額で区分が変わり、登録免許税も資本金をもとに計算されます。
発起人は誰か・何人か
発起人が何人いるか、全員が個人(自然人)か、法人が出資するかを確定させます。発起人の人数や属性は、定款認証手数料が最も安くなる区分の条件にも関わります。条件の詳細はステップ2で説明します(日本公証人連合会)。
取締役会を設置するかどうか
取締役会を置くかどうかは、早い段階で決めてください。法務局の設立登記申請書は「取締役会設置会社の発起設立」用と「取締役会を設置しない会社の発起設立」用に分かれています(法務局)。
| 項目 | 取締役会を置かない | 取締役会を置く |
|---|---|---|
| 申請書の様式 | 非設置会社の発起設立用 | 設置会社の発起設立用 |
| 定款認証手数料の最安区分 | 対象になりうる | 対象外 |
取締役会を置かないことは、定款認証手数料1万5,000円の条件の一つでもあります。少人数で始めるなら、この点も判断材料になります。
代表者印(会社実印)の準備
設立登記の添付書類には、会社の印鑑を届け出る「印鑑届書」が含まれます。登記申請までに代表者印を用意しておきましょう。
株式会社設立の手順|5ステップで解説
ステップ1 定款を作成する
決めた基本事項をもとに定款を作ります。定款は紙で作る方法と、PDFに電子署名した「電子定款」で作る方法があります。
紙の定款を公証役場に出す場合は4万円の収入印紙が必要です。一方、電子定款は印紙税の対象外とされており、印紙代は0円です(freee)。
これは印紙税法上の「課税文書の作成」を紙への記載・交付と解釈しているためです。法律に「電子定款は非課税」と明記されているわけではない点は押さえておきましょう。
ステップ2 公証役場で定款認証を受ける
作成した定款は、公証人の認証を受けます。手数料は資本金の額などで次のように区分されています(日本公証人連合会、2026-10-23時点)。
| 資本金等の額 | 認証手数料 |
|---|---|
| 100万円未満で、3つの条件をすべて満たす | 1万5,000円 |
| 100万円未満(上記以外) | 3万円 |
| 100万円以上300万円未満 | 4万円 |
| 300万円以上 | 5万円 |
1万5,000円になる3つの条件は次のとおりです。1つでも欠けると対象外です。
- 発起人全員が自然人で、その数が3人以下
- 定款に、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載がある
- 定款に、取締役会を置く旨の記載がない
電子定款の認証は、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を使って申請します。公証人による本人確認は原則Web会議方式で、希望すれば対面も選べます(日本公証人連合会)。
ステップ3 出資金を払い込み、払込証明書を作成する
発起人が定めた銀行等の口座に出資金を払い込み、その事実を示す「払込証明書」を作ります。
払込日は、定款作成日(または発起人全員の同意があった日)以降であれば、定款認証より前の日付でも登記申請は受理されます(弥生)。
払込証明書に添付する資料の一般的な作成例は次のとおりです。最終的な体裁は法務局や司法書士に確認してください。
| 口座の種類 | 添付する資料 |
|---|---|
| 通帳がある口座 | 通帳の「表紙」「表紙の次のページ」「払込が確認できるページ」の写し |
| ネット銀行 | 銀行名・支店名・口座番号・口座名義人・入金履歴が載った取引明細の印刷物 |
ステップ4 設立登記の申請書類を準備する
法務局のサイトでは、申請書の記載例がPDFやWordで配布されています。取締役会の有無に合った様式を選んでください(法務局)。
主な添付書類は次のとおりです。
- 定款(認証済みの謄本)
- 発起人の同意書(決定書)
- 設立時取締役・設立時代表取締役の就任承諾書
- 印鑑証明書
- 払込みがあったことを証する書面(払込証明書)
- 印鑑届書
必要な書類の数は、発起人の人数や取締役会の有無、代理人が申請するかどうかで増減します。自社のケースに合わせて記載例で確認するのが確実です。
ステップ5 法務局に設立登記を申請する
書類がそろったら、法務局に設立登記を申請します。このとき登録免許税を納めます。
登録免許税は払込資本金の0.7%で、計算額が15万円に満たない場合は15万円です。最低額15万円を0.7%で割ると約2,143万円になるため、資本金がおよそ2,143万円を超えるまでは15万円のままです(J-Net21)。
株式会社設立にかかる費用の内訳

資本金別の費用の計算例
電子定款で作成した場合の、資本金別の法定費用の例です(2026-10-23時点の手数料・税率で計算)。
| 資本金 | 定款認証手数料 | 印紙代 | 登録免許税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 5万円 | 0円 | 15万円(0.7%は2.1万円) | 20万円 |
| 3,000万円 | 5万円 | 0円 | 21万円 | 26万円 |
資本金100万円未満で3条件を満たす場合は、定款認証1万5,000円+登録免許税15万円で16万5,000円です。紙の定款なら、いずれも印紙代4万円が加わります。
特定創業支援等事業で登録免許税を軽減する
自治体の「特定創業支援等事業」を受けて証明書を取得すると、登録免許税は資本金の0.35%(最低額は7.5万円)に軽減されます(MONEYIZM)。
軽減を受けるには、登記申請時に証明書を添付する必要があります。設立後に還付を受けることはできないため、登記の前に自治体の窓口で確認しておきましょう。
窓口は自治体ごとに異なり、市区町村の産業振興課・創業支援担当や商工会議所が案内していることが多いです。「お住まいの市区町村名+特定創業支援等事業」で検索するか、自治体の公式サイトで確認してください。
| 項目 | 通常 | 軽減後 |
|---|---|---|
| 税率 | 資本金の0.7% | 資本金の0.35% |
| 最低額 | 15万円 | 7.5万円 |
| 資本金3,000万円の場合 | 21万円 | 10.5万円 |
株式会社特有のつまずきポイントと対処法
定款認証手数料の区分を見誤る
1万5,000円の区分は、3つの条件をすべて満たす場合だけです。法人が発起人に入る、取締役会を置くといった場合は対象外になるため、定款の内容と照らして確認しましょう。
払込日が定款作成日より前になっている
払込日が定款作成日(または発起人全員の同意日)より前だと、払込証明書として扱えない可能性があります。払込は定款を作った後に行うのが基本です。
取締役会の有無と書類がかみ合っていない
申請書の様式は取締役会の有無で異なります。定款の機関設計と、使う様式・添付書類が一致しているかを提出前に見直してください。
登記完了後にやるべきこと
登記が終わったら、税務署・年金事務所・都道府県・市区町村などへの届出が必要です。
デジタル庁が運営する「法人設立ワンストップサービス」では、マイナンバーカードを使い、マイナポータル経由で定款認証・設立登記・設立後の届出をまとめて行えます(NTTデータ)。
対象となる届出は、国税・地方税・年金・労働保険・健康保険などです。サービスの利用は無料ですが、定款認証手数料や登録免許税などの法定費用は別にかかります。
対応する手続きの範囲は年々拡大してきた経緯があり、本記事時点(2026-10-23)の対応範囲を断定できません。利用前にマイナポータルの公式ページで、自社の届出が現時点で対応しているかを必ず確認してください。
登記完了後は、税務署・年金事務所への届出や銀行口座開設の際に、会社名・住所・代表者名を記したゴム印があると手書きの手間を減らせます。
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まとめ
株式会社設立の手順は、定款作成、公証役場での定款認証、出資金の払込、登記書類の準備、法務局への設立登記の5ステップです。法定費用は電子定款を使えば最低16万5,000円前後から見込めます。
まずは今日、次の2つから始めてみてください。
- 発起人同士で、商号・事業目的・本店所在地・資本金額・取締役会の有無を確定する
- 自治体の特定創業支援等事業の対象になるか、登記前に窓口で確認する
合同会社との違いを詳しく知りたい方は、合同会社の設立手順5ステップもあわせて参考にしてください。
