小規模企業共済の解約手当金を受け取る方法|2つの請求手順・必要書類・税金の基本
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小規模企業共済の解約手当金を受け取る方法|2つの請求手順・必要書類・税金の基本

小規模企業共済を解約しようと思っても、「何をどこへ出せばいいのか」「税金はどうなるのか」がわかりにくいと感じていませんか。中小機構の公式サイトは請求の理由ごとにページが分かれているため、自分に合う情報を探すのに手間取りがちです。

この記事では、小規模企業共済の解約手当金の受け取り方を、請求の手順・必要書類・税金の基本の順に整理します。

結論

小規模企業共済の解約手当金は、オンラインか書類の郵送のどちらかで解約の手続きをして受け取ります。受け取りは一括のみで、分割は選べません。

受け取りまでの流れは、次の3点を押さえれば迷いません。

  • 手順: マイナンバーカードがあればオンライン、なければ「共済金等請求書(様式小701)」を郵送
  • 必要書類: 共済契約締結証書、マイナンバー確認書類・本人確認書類(解約手当金が100万円を超える場合)、65歳以上なら退職所得申告書
  • 税金: 原則として65歳以上は退職所得、65歳未満は一時所得として扱われるとされています

なお、掛金を納めた月数が12か月未満だと解約手当金は支給されません。240か月(20年)未満では、受取額が掛金の合計を下回ります(中小機構:個人事業主の任意解約)。

小規模企業共済の「解約手当金」とは

小規模企業共済で受け取れるお金は、請求の理由によって「共済金A」「共済金B」「準共済金」「解約手当金」の4種類に分かれます。

解約手当金は、契約者の自己都合で契約をやめる「任意解約」のときに支払われる区分です。

区分 主な請求の場面(本記事に関わる範囲) 受取方法
解約手当金 個人事業を続けたまま解約する、法人の役員が任意に退任して解約する 一括のみ
準共済金 法人成りなど 一括のみ
共済金A・B 上記以外の請求理由(共済金Bには老齢給付を含む) 中小機構の案内による

出典: 中小機構:個人事業主の任意解約、中小機構:準共済金の請求事由ページ

共済金A・Bの違いを細かく比べることはこの記事の範囲外です。ここでは「自分が解約手当金に当たるか」だけを確かめましょう。

解約手当金の対象になる人・ならない人

個人事業主の場合、解約手当金の対象は「請求する時点で65歳未満」または「掛金の納付月数が180か月未満」の人です。

65歳以上で、かつ納付月数が180か月以上の人は、老齢給付(共済金B)の対象になりえます。年齢と納付月数で請求できる区分が変わるため、先に確認しておきましょう。

また、解約手当金は事業を続けたまま契約をやめるときの区分です。個人事業の廃業や法人の解散を理由にする場合は、共済金Aの請求事由に当たります。

該当する方は、中小機構:請求理由別ページで共済金Aの区分を確かめてください。

請求前に準備するもの

解約の手続きを始める前に、書類・マイナンバーカード・受取口座の3つをそろえます。

準備するもの 内容・条件
共済契約締結証書 紛失したときは、契約者番号がわかる発行後3か月以内の印鑑登録証明書の原本で代えられる
マイナンバーカード オンライン手続きに必要。ない場合は書類で手続きする
受取口座 請求者本人名義の口座に限る。会社名義・屋号付きの口座は不可

受取口座には指定できない金融機関があります。2026-11-08時点で、SBI新生銀行、あおぞら銀行、外資系銀行、労働金庫、一部の農協・信用組合・インターネット専業銀行は指定できません(中小機構)。

指定できる金融機関は変わることがあるため、手続きの前に公式サイトで最新の情報を確認してください。

小規模企業共済の解約手当金の請求手順

請求の方法は「オンライン」と「書類の郵送」の2つです。まずは違いを表で比べます。

小規模企業共済 解約手当金の請求手順(オンライン・書類の2方法)の図解。準備するもの、方法の選択、手続き、受け取りの4段階を整理したフロー図

項目 オンライン手続き 書類での手続き
必要なもの マイナンバーカード、ICカードリーダライタ付きパソコンまたはNFC対応スマホ 共済金等請求書(様式小701)と添付書類
金融機関の確認印 不要 受取金融機関の窓口で受ける
使えない場合 氏名・住所がマイナンバーカードと違う、中小機構の郵便物を受け取れない住所 ―

方法1|オンラインでの解約手続き

オンラインでは「小規模企業共済オンライン手続きポータル」を使います。

  1. マイナンバーカードと、ICカードリーダライタ付きのパソコンまたはNFC対応スマートフォンを用意する
  2. ポータルを利用登録して使うか、登録せずに使うかを選ぶ
  3. 画面の案内に従ってマイナンバーカードを読み取り、請求の理由(任意解約)と受取口座を入力する
  4. 内容を確かめて申請する。中小機構から追加の案内があれば従う

利用登録をすると、登録の完了まで約4営業日かかります。登録しない場合は、毎回メールアドレスを登録すれば当日中に手続きできます。

氏名や住所がマイナンバーカードの登録情報と違う場合は、オンラインでは手続きできません。書類での手続きに切り替えましょう。

方法2|書類での解約手続き(郵送)

書類の場合は、次の順に進めます。

  1. 「共済金等請求書(様式小701)」を用意する(中小機構の書類一覧を参照)
  2. 必要書類をそろえる(下の表)
  3. 請求書の請求事由欄に、個人事業主の任意解約を示す「1110」を書き、受取方法の「一括受取り」を〇で囲む
  4. 受取金融機関の窓口で、金融機関確認印を受ける
  5. 中小機構の共済事業グループ 小規模共済給付課へ郵送する
必要書類 必要になる人
共済金等請求書(様式小701) 全員
共済契約締結証書(紛失時は印鑑登録証明書の原本) 全員
マイナンバー確認書類 解約手当金が100万円を超える人
本人確認書類(個人番号カードの両面コピーがあれば不要) 解約手当金が100万円を超える人
退職所得申告書 65歳以上の人

送り先は「〒105-8453 東京都港区虎ノ門3-5-1 虎ノ門37森ビル 独立行政法人中小企業基盤整備機構 共済事業グループ 小規模共済給付課」です(2026-11-08時点、中小機構)。

請求事由の番号「1110」は個人事業主の任意解約のものです。法人の役員が任意に退任して解約する場合は、公式サイトで該当する請求理由のページを確かめてください。

小規模企業共済の解約手当金にかかる税金の基本

解約手当金の税金の扱いは、受け取る人の年齢で変わります。国税庁の質疑応答事例では、次のように扱うとされています(国税庁:小規模企業共済の解約手当金の所得区分)。

小規模企業共済 解約手当金にかかる税金の分かれ方の図解。65歳未満は一時所得、65歳以上は退職所得、65歳以上かつ掛金180か月以上は老齢給付の対象になりうることを示すフロー図

年齢 所得の区分 課税の考え方(概要)
65歳以上 退職所得 (収入-退職所得控除額)×1/2を、ほかの所得と分けて課税
65歳未満 一時所得 (収入-50万円)×1/2を、ほかの所得と合算して課税

65歳以上の任意解約による解約手当金は、所得税法施行令第72条第3項第3号に基づいて退職所得になるとされています。書類で請求するときは退職所得申告書を添付します。

65歳未満の場合は、原則として一時所得として扱われるとされています。一時所得の計算では、特別控除の50万円を引いた額をさらに1/2にして、ほかの所得と合算します(税理士ドットコム)。

ここで注意したいのが掛金の扱いです。掛金は払った年に「小規模企業共済等掛金控除」として全額が所得控除になっています(月額の上限は7万円、総務省資料)。そのため、一時所得を計算するときに掛金を必要経費として引くことはできません。

実際の税額は、ほかの所得や過去の退職金の受け取りなどで変わります。具体的な金額は、税理士や税務署に確認してください。

よくある失敗と対処法

請求でつまずきやすい場面と、その対処法をまとめます。

よくある失敗 対処法
共済契約締結証書をなくした 契約者番号がわかる発行後3か月以内の印鑑登録証明書の原本で代える
受取口座に指定できない銀行だった 指定できる金融機関の本人名義の口座を用意する
屋号付き・会社名義の口座を書いた 請求者本人名義の口座に書き直す
マイナンバーカードと氏名・住所が違い、オンラインで進めない 書類での手続きに切り替える
書類が足りないと連絡が来た 中小機構からの案内に従って追加の書類を出す

退職所得の源泉徴収票など、個々の事情で追加の書類が必要になることもあります。中小機構から届く案内をよく読んで対応しましょう。

手続きの前に確かめたいこと

解約手当金は、一度解約すると元に戻せない手続きです。請求の前に、次の点を確かめておくと安心です。

  • 掛金の納付月数が12か月以上あるか(12か月未満は支給なし)
  • 納付月数が240か月未満なら、受取額が掛金の合計を下回ることを理解しているか
  • 65歳以上かつ納付月数180か月以上なら、共済金Bの対象にならないか
  • 事業を続けたままの解約か、それとも廃業・解散か

受取額の具体的な計算は、この記事では扱いません。金額を知りたいときは、中小機構の公式ページの「お問い合わせ」から確認してください。

まとめ

小規模企業共済の解約手当金は、オンラインか書類の郵送で手続きし、一括で受け取ります。税金は、原則として65歳以上なら退職所得、65歳未満なら一時所得として扱われるとされています。

次の順で進めましょう。

  1. 自分が解約手当金の対象か(年齢・納付月数・解約の理由)を確かめる
  2. 共済契約締結証書と、本人名義の受取口座を用意する
  3. マイナンバーカードがあればオンライン、なければ様式小701で請求する
  4. 税金の扱いを確認し、必要なら税理士に相談する

わからない点は、中小機構の公式ページの「お問い合わせ」から確認してください。

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