不特定多数の顧客と接するコンビニ店内。カスハラ対策の義務化はこうした小売・接客業の事業主が対象
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カスハラ対策義務化【2026年10月1日】個人事業主・小規模店舗が今すぐ整える10項目チェックリスト

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カスハラ対策の義務化はいつから?2026年10月1日から、個人事業主も対象でやることは3つ

カスタマーハラスメント(カスハラ)対策は、2026年10月1日から事業主の雇用管理上の措置義務になります。厚生労働省のパンフレットは「事業主は、以下の措置を必ず講じなければなりません」と明記しています(厚生労働省「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されます!」)。

対象は労働者を1人でも雇用するすべての事業主です。企業規模・業種による猶予措置や経過措置はなく、個人事業主やアルバイト1人の個人商店も同じ日から義務を負います。

やるべきことは、指針の10項目(一覧は後述の表を参照)を実務に落とすと3つに集約できます。(1)毅然と対応する方針を決めて従業員に周知する、(2)相談窓口を決めて知らせる、(3)発生後の対応手順(事実確認・被害者への配慮・再発防止)を決める。2026-09-18時点で施行まで残り13日です。

不特定多数の顧客と接するコンビニ店内。カスハラ対策の義務化はこうした小売・接客業の事業主が対象

出典: Convenience store interior(Wikimedia Commons)/ CC BY-SA 3.0

自分の事業は対象か|チェックリストで判定する

  • アルバイト・パートを含め、雇用している労働者が1人以上いる
  • 顧客・取引の相手方、または施設の利用者と接する業務がある
  • 電話・メール・SNSでの顧客対応がある

上の2つに当てはまれば対象です。「顧客等」には顧客・取引の相手方に加え、駅・空港・病院・学校・福祉施設・公共施設等の利用者、今後商品購入やサービス利用をする可能性がある者も含まれます。

法的な義務の対象外になるのは、誰も雇用していない一人事業だけです。その場合も自身を守るため、記録の取り方と通報の基準は決めておく価値があります。

厚労省が定める「必ず講じるべき10の措置」

措置義務の中身を定めるのは、2026年2月26日に告示された指針(令和8年厚生労働省告示第51号)です。10項目を、小規模事業者での実現例を添えて整理しました。

# 指針が求める措置 小規模事業者での実現例
毅然とした対応・労働者保護の方針の明確化と周知 A4一枚の方針文書を作りバックヤードに掲示
カスハラの内容と、あらかじめ定めた対処内容の周知 方針文書に「どこからがカスハラか」「その時どうするか」を併記
相談窓口をあらかじめ定めて周知 一次受けの担当者と予備の連絡先を明記
相談窓口担当者が適切に対応できるようにする 厚労省の企業マニュアルを読み、対応手順を共有
事実関係の迅速・正確な確認 日時・発言・対応を書く記録シートを常備
被害者への配慮措置 対応交代・休憩・配置変更のルール化
再発防止措置 記録を月1回見直し、手順を更新
特に悪質なカスハラへの対処方針の策定・周知と体制整備 警察への通報・入店拒否の判断基準を明文化
相談者等のプライバシー保護措置と周知 記録の保管場所と閲覧できる人を限定
相談を理由に不利益な取扱いをしない旨の周知・啓発 方針文書と雇用契約書の両方に明記

措置の内容は上記の厚生労働省パンフレットに基づき、実現例は小規模事業者向けに補いました。

カスタマーハラスメントの定義|電話・SNSも対象

指針は、①顧客等の言動であって、②業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの、の3要素をすべて満たすものをカスハラと定義します。対面に限らず、電話やSNS等インターネット上の言動も対象です。線引きに迷う場面は、厚生労働省が2026年4月24日に公表した解釈事項のQ&A(全41問、カスハラ関係は問1〜21)が手がかりになります。

10月1日までにやること|5ステップとスケジュール

  1. 基本方針をA4一枚にまとめる(毅然と対応する・従業員を守る・悪質な場合は通報する)。文例:「◯◯店は、お客様への丁寧な対応を大切にする一方、従業員への暴言・威圧的行為等には毅然と対応します。悪質な場合は警察に通報します。」
  2. 従業員に周知する(掲示・朝礼・雇用契約書への追記のいずれか)
  3. 相談窓口を決めて連絡先を伝える(社内で兼務するか、外部に委託するか)
  4. 対応フローを決める(誰に報告し、何を記録し、どの時点で警察へ連絡するか)
  5. 見直し日を決める(月1回など、カレンダーに入れる)

相談窓口として使う受付カウンターのイメージ。担当者と連絡先を決めて従業員に周知する

出典: Reception desk with a computer at a restaurant(Wikimedia Commons)/ Public Domain

期限 やること
9月下旬 方針文書のドラフト作成、相談窓口の担当者決定
9月末まで 従業員への周知、記録シートと対応フローの配布
10月1日 相談窓口の運用開始、掲示物の設置
10月以降 記録の定期見直しと方針の更新

すでに10月1日を過ぎている場合は、ステップ1〜3を最短で終わらせることを優先してください。相談窓口の作り方や事実確認の進め方は、厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(令和8年度改訂版・57ページ)に実務手順がまとまっています。

やらなかった場合どうなるか

措置義務そのものに直接の罰則はなく、行政指導による是正が中心とされています。複数の法律事務所・社労士の解説では、労働局からの報告徴求に応じない場合や虚偽報告には20万円以下の過料(行政上のペナルティで、刑事罰の「科料」とは異なります)、義務違反には助言・指導・勧告があり、勧告に従わないと企業名が公表される、という既存のハラスメント防止措置と同じ流れが説明されています(法律事務所の解説例)。

ただしカスハラ条項についての条文・通達を直接確認できたわけではないため、断定はしません。正確な取り扱いは最寄りの労働局雇用環境・均等部(室)で確認してください(厚生労働省サイトで「都道府県労働局 雇用環境・均等部」と検索すると一覧が見つかります)。法改正の全体像は政府広報オンラインでも解説されています。

罰則の有無より実務上の痛みが大きいのは、対策がないまま被害が起きた場面です。対応が人によってばらつくとトラブルが長引き、従業員の離職にもつながります。

対応を後押しする制度|東京都は定額40万円の奨励金

東京都は、常時雇用する従業員300人以下の都内中小企業等を対象に、カスハラ対策マニュアルの整備に加えて「録音・録画環境の整備」「AI活用システムの導入」「外部人材の活用」のいずれか1つ以上を実施した事業者へ、定額40万円の奨励金を支給する制度を実施しています(2026-09-18時点・東京しごと財団)。募集期間・予算枠・要件は年度や回次で変わるため、申請前に公式ページで最新の条件を確認してください。

これは全国一律の制度ではありません。ほかの自治体にも独自の相談窓口や補助制度がある場合があるため、「(都道府県名) カスハラ 助成金」で検索し、自分の地域の商工会議所や労働局に問い合わせるのが確実です。

まとめ|今日やること1つ

今日やることを1つに絞るなら、基本方針をA4一枚書いて従業員に共有することです。方針が決まれば、相談窓口も対応フローもその紙に書き足す形で積み上がります。

2026年10月1日の施行後は、労働者を1人でも雇うすべての事業主が対象です。文面づくりに迷ったら、厚生労働省のパンフレットで措置の10項目を確認し、企業マニュアルの手順をそのまま自社の規模に合わせて縮めるのが最短です。判断に迷う事例は労働局雇用環境・均等部(室)に相談できます。

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