【付加年金】申し込み方法|対象者・必要書類・窓口を4ステップで確認
結論
自営業やフリーランスで「老後の年金を少しでも増やしたい」と考えたとき、手軽な選択肢が付加年金です。ただ、どこに何を出せばよいのかは分かりにくいものです。
結論から言うと、付加年金の申し込み方法は「国民年金被保険者関係届書(付加保険料納付申出書)」を提出するだけです。提出先は住所地の市区町村の国民年金窓口か年金事務所で、電子申請もできます(日本年金機構「付加保険料の納付のご案内」)。
対象は国民年金の第1号被保険者と、65歳未満の任意加入被保険者です。保険料の免除・納付猶予を受けている人と、国民年金基金の加入員は申し込めません。
手続きの流れは次の4ステップです。
- 自分が対象者か確認する
- 必要書類をそろえる
- 窓口または電子申請で届書を出す
- 納付開始月と納付期限を確認する
いちばん大事なのは、納付は申し出た月の分からしか始まらず、さかのぼって納められない点です。対象者なら、早く申し込むほど受け取る年金が増えます。
本文
まずは、付加年金で年金がいくら増えるのか仕組みから見ていきましょう。
付加年金とは|月400円の上乗せでいくら増えるか
付加年金は、国民年金の定額保険料に月400円の「付加保険料」を上乗せして納めると、老齢基礎年金に上乗せして受け取れる給付です。
受け取る年金額(年額)は「200円×付加保険料を納めた月数」で決まり、毎年支給されます。納付月数ごとの目安は次のとおりです。
| 納付した期間 | 納める付加保険料の総額 | 受け取る付加年金(年額) |
|---|---|---|
| 1年(12か月) | 4,800円 | 2,400円 |
| 5年(60か月) | 24,000円 | 12,000円 |
| 10年(120か月) | 48,000円 | 24,000円 |
宜野湾市の案内資料では、50歳から60歳まで10年間納めた例を紹介しています。納める保険料は48,000円、受け取る付加年金は年24,000円です。
つまり2年間受け取れば、納めた保険料の総額を上回ります。鹿児島市のよくある質問でも同じ考え方が示されています。
この「2年で元が取れる」関係は、納付期間の長さに関係なく成り立ちます。納める額が「400円×月数」、毎年受け取る額が「200円×月数」なので、比率は常に2年分で一致するからです。
なお、付加保険料は前納もでき、前納する期間に応じた割引があります。割引額は時期によって変わるため、まとめて払いたい人は日本年金機構「付加保険料の納付のご案内」で確認してください。
申し込み前に確認すること|対象者と準備するもの
付加年金は誰でも入れるわけではありません。まず対象者かどうかと、持ち物を確認しましょう。
付加年金の対象者チェックリスト
日本年金機構の案内をもとに、加入できる人・できない人を整理しました。

| 区分 | 付加年金に加入できるか |
|---|---|
| 国民年金の第1号被保険者 | できる |
| 65歳未満の任意加入被保険者 | できる |
| 産前産後免除期間中の人 | できる |
| 法定免除・全額免除・一部免除を受けている人 | できない |
| 納付猶予・学生納付特例を受けている人 | できない |
| 国民年金基金の加入員 | できない |
国民年金基金は、自営業者等が国民年金に上乗せして加入できる公的な年金の上乗せ制度です(詳しくは後述の「国民年金基金・iDeCoとの違い」で説明します)。加入員は付加年金を選べません。
保険料の免除や猶予を受けている人は対象外ですが、産前産後免除期間中の人は例外的に加入できます。
なお、農業者年金の被保険者は「加入できる・できない」という対象ではなく、付加保険料の納付が法律で義務づけられています。上記の任意加入者とは扱いが異なる点に注意してください。
付加年金の必要書類
届出の際に必要なものは、基礎年金番号で手続きするか、マイナンバーで手続きするかで変わります(日本年金機構「届出に必要な書類」)。
| 手続きの方法 | 必要なもの |
|---|---|
| 基礎年金番号で手続き | 基礎年金番号通知書または年金手帳等 |
| マイナンバーで手続き(カードあり) | マイナンバーカードのみ |
| マイナンバーで手続き(カードなし) | 通知カード等のマイナンバー確認書類+運転免許証・パスポート等の身元確認書類 |
| 電子申請(マイナポータル) | マイナンバーカード、利用者証明用電子証明書パスワード(数字4桁)、券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁) |
マイナンバーカードを持っていれば、窓口でも電子申請でもカード1枚が基本になります。代理人が手続きする場合の持ち物は、自治体の案内で確認してください。
付加年金の申し込み手順|窓口・電子申請の2ルート
ここからは、実際の申し込み方法を4ステップで説明します。ステップ3は窓口と電子申請のどちらかを選べます。

ステップ1:自分が対象者か確認する
前のセクションのチェックリストで、自分が加入できる区分かを確認します。特に、保険料の免除や納付猶予を受けていないか、国民年金基金に入っていないかを見ておきましょう。
ステップ2:必要書類をそろえる
基礎年金番号通知書(または年金手帳等)か、マイナンバーカードを用意します。マイナンバーカードがない場合は、通知カード等と運転免許証などの2種類が必要です。
ステップ3:窓口または電子申請で届書を出す
窓口で申し込む場合は、住所地の市区町村役場の国民年金窓口か年金事務所に行きます。「国民年金被保険者関係届書(付加保険料納付申出書)」を記入して提出すれば完了です。
電子申請で申し込む場合は、マイナポータルから「国民年金付加保険料納付申出書」を提出できます(日本年金機構「付加年金の電子申請」)。
電子申請では、マイナンバーカードと2種類の暗証番号(数字4桁ずつ)を使います。事前準備はマイナポータルの利用案内で確認できます。
自治体によっては、マイナポータル(ぴったりサービス)のほか、独自の電子申請サービスで受け付けている例もあります(大田区、熊本市など)。
ただし対応状況は自治体ごとに異なります。お住まいの市区町村のサイトで確認してください。
ステップ4:納付開始月と納付期限を確認する
付加保険料の納付は、申し出をした日の属する月分から始まります。郵送の場合は、窓口が届書を受け付けた日の属する月分からです。さかのぼって納めることはできません。
納付期限は、納付対象月の翌月末日です(土日・祝日・年末年始の場合は翌営業日)。期限を過ぎても2年間は納付できますが、忘れないよう定額保険料とあわせて納めましょう。
国民年金基金・iDeCoとの違い|併用できる組み合わせを整理
老後資金を上乗せする制度には、付加年金のほかに国民年金基金とiDeCo(個人型確定拠出年金)があります。3つの違いと併用の可否をまとめました。

| 項目 | 付加年金 | 国民年金基金 | iDeCo |
|---|---|---|---|
| 掛金の決まり方 | 一律で月400円 | 加入時の年齢・性別・口数で決まる | 拠出限度額の範囲内で1,000円単位 |
| 年金額の決まり方 | 200円×納付月数(年額) | 加入時の条件で決まる | 運用の成果によって変わる |
| 申し込み先 | 市区町村の国民年金窓口・年金事務所・電子申請 | 国民年金基金 | iDeCoを取り扱う金融機関 |
| 付加年金との併用 | ― | できない | できる |
| iDeCoとの併用 | できる | できる | ― |
付加年金と国民年金基金は併用できない
国民年金基金の加入員は、付加保険料を納められません。国民年金基金の1口目が付加年金の役割を代わりに担う設計になっているためです(日本年金機構)。
すでに付加年金に入っている人が国民年金基金に加入すると、付加年金は選べなくなります。どちらにするかは、掛金の負担と受け取り額を比べて決めましょう。
iDeCoは併用できるが掛金枠の調整が必要
iDeCoは、付加年金・国民年金基金のどちらとも同時に加入できます。ただし第1号被保険者は、これらと合算した拠出限度額の範囲内で掛金を決める必要があります。
付加保険料(月400円)を納めている場合、その分だけiDeCoの掛金上限が目減りします。iDeCoの掛金は1,000円単位なので、実質的な上限が引き下がる形です。
拠出限度額は変更されることがあります。最新の金額は国民年金基金連合会やiDeCoを取り扱う金融機関の公式サイトで確認してください。具体的な掛金の配分は、iDeCoの運営管理機関に相談するのが確実です。
メリットとデメリット・注意点
メリット
- 掛金が一律月400円で分かりやすい
- 受給を始めて2年で、納めた保険料の総額を上回る計算になる
- iDeCoと違い、運用で元本が減るリスクがない
- 手続きは届書1枚で、電子申請にも対応している
デメリット・注意点
- 申し出た月の分からしか納付できず、さかのぼれない
- 国民年金基金に加入すると付加年金は選べなくなる
- iDeCoと併用すると、iDeCoの掛金上限が少し下がる
- 途中でやめるときは「納付辞退申出書」の提出が必要
まとめ|今日からできること
付加年金は、国民年金の第1号被保険者なら月400円の上乗せで申し込める制度です。受け取る年金は「200円×納付月数」で、2年間受け取れば納めた保険料を上回ります。
申し込み方法は、市区町村の国民年金窓口か年金事務所に届書を出すか、マイナポータルから電子申請するかの2通りです。納付は申し出た月からしか始まらないので、迷っているなら早めの手続きがおすすめです。
今日からできることは次の3つです。
- 対象者チェックリストで、自分が加入できるか確認する
- 基礎年金番号通知書かマイナンバーカードを用意する
- 窓口に行くか、マイナポータルで電子申請するかを決める
iDeCoとの併用を考えている人は、掛金の上限が変わる点だけ先に確認しておきましょう。国民年金の手続き全般やiDeCoの始め方もあわせて調べておくと、老後資金の計画が立てやすくなります。
