【2026年9月Office更新後】Excelで貼り付け・コピペができない不具合(KB5002914)の原因と直し方
「昨日まで普通に使えていたのに、今日からExcelでCtrl+Vが効かない」——2026年9月9日ごろから、そんな相談が世界中で急増しています。エラーも音も出ず、ただ何も起きない。壊れたのはあなたのパソコンでもファイルでもなく、Officeの更新プログラムです。

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結論
Excelで貼り付け・コピペができない原因は、2026年9月8日(現地時間)に配信されたOffice向けセキュリティ更新プログラム「KB5002914」です。Microsoftはこれを公式に「既知の問題」として認めており、2026-09-12時点で恒久的な修正パッチは未発表です。
したがって現時点の直し方は、原因となった更新プログラムを取り除くこと、つまりMSI版ならKB5002914のアンインストール、クイック実行版なら以前のビルドへのロールバックの2択になります。以下が対処の早見表です。
| あなたの環境 | 取るべき対処 | 難易度 |
|---|---|---|
| MSI版(Office 2016/2019など) | KB5002914をアンインストール | GUIなら易・コマンドなら中 |
| クイック実行版(Microsoft 365など) | 以前のビルドへロールバック+更新の一時停止 | 中 |
| 今すぐ作業を進めたい | ブラウザ版Excelや別PCで一時的に代替 | 易 |
| 恒久対応 | 公式KBページで修正版の配信を待つ | — |
なお、上の表で「MSI版」か「クイック実行版」かで迷ったら、Excelを開いて「ファイル」→「アカウント」→「Excelのバージョン情報」を確認してください。ウィンドウ上部に「MSI版」または「Microsoft 365と同じくクイック実行(Click-to-Run)」の表記が出るので、ここで見分けられます(詳しい確認手順は後述の「自分のExcelがKB5002914の影響を受けているか確認する方法」で解説します)。
なお「形式を選択して貼り付け」やOfficeの修復といった手軽な方法は、効果が限定的だという報告もあります。詳しくは後半の「効果が薄かった対処法」で正直にお伝えします。
この記事の読み方
ここからは、まず「自分の症状が本当にこの不具合か」を切り分け、そのうえで環境別の具体的な手順を難易度順に見ていきます。関係のない設定をいじって時間を浪費しないよう、効果が薄かった方法も併記します。
Excelで「貼り付け・コピペができない」症状とは(2026年9月8日のOffice更新後)
報告されている症状は、いずれも「操作しても無言で失敗する」のが特徴です。具体的には次のような状態になります。
- Ctrl+CでコピーしてCtrl+Vを押しても、貼り付け先のセルが変わらない
- 右クリックメニューの「貼り付け」を選んでも何も起きない
- セル右下のフィルハンドルをドラッグするオートフィルが動かない
- エラーメッセージもビープ音も出ず、コピー元が選択されたまま残る
Microsoft公式のKB5002914説明ページにも、既知の問題として「the paste operation might fail silently(貼り付け操作が無言で失敗することがある)」「ユーザーはビープ音やエラーメッセージなど、失敗を知らせる合図を一切受け取らない」と記載されています(Microsoft サポート)。
自分の症状か切り分けるチェックポイント
見分けやすいポイントは、失敗するのがExcel内部同士のコピペに限られることです。BleepingComputerの報道では、メモ帳など他のアプリからExcelへの貼り付けは正常に動作した一方、Excel内でのコピー&ペーストだけが失敗した事例が紹介されています(BleepingComputer)。
影響が報告されているのはExcel 2016・2019・2021(LTSC含む)・2024と広い世代で、MSIインストールとクイック実行(Click-to-Run)のどちらでも発生しています。同記事では、影響を受けた具体例としてOffice Professional Plus 2019(バージョン16.0.10417.20207)とExcel 2016(16.0.5569.1003)が挙げられています。

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原因は2026年9月のセキュリティ更新プログラム「KB5002914」
KB5002914は2026年9月8日のパッチチューズデーで配信されたOffice向けセキュリティ更新プログラムです。Excel 2016向けの更新として公開されていますが、対象製品にはMicrosoft 365 Apps for Enterprise(32ビット)やOffice 2019(32/64ビット)なども含まれています。

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Microsoft Q&Aでは、モデレーターが2026年9月9日の時点で「複数ユーザーから同様の報告が数日続いている」「現時点でMicrosoftからの公式な恒久対応情報はない」とし、一時的な回避策としてパッチのアンインストールを推奨しています(Microsoft Q&A)。
IT系ブログのBorn’s Tech and Windows Worldによれば、Microsoftは2026年9月11日にこの不具合をKB5002914のサポートページへ正式な既知の問題として追加し、「調査中で情報が判明次第追記する」と述べているとされています(borncity.com)。恒久的な修正パッチの配信日は2026-09-12時点で未発表です。
ひとつ注意したいのが、Excel 2016は2025年10月14日に延長サポートを含むサポートが終了している点です。前掲のMicrosoft Q&Aでモデレーターもこれに言及しており、サポート終了済み製品には恒久的な修正が提供されない可能性がある点は、期待値として持っておいたほうがよいでしょう。
自分のExcelがKB5002914の影響を受けているか確認する方法
まず確認すべきは、お使いのExcelのバージョンとビルド番号です。Excelを起動し、「ファイル」→「アカウント」→「Excelのバージョン情報」と進むと、製品名とビルド番号、そしてMSI版かクイック実行版かが確認できます。
次に更新プログラムの適用状況を見ます。Windowsの「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」、またはコントロールパネルの「インストールされた更新プログラムを表示」でKB5002914の記載を探してください。
なお、Excel 2019/2021/2024それぞれに対応する更新プログラムのKB番号がKB5002914と同一かどうかは、2026-09-12時点の一次情報からは特定できませんでした。症状としては各バージョン共通と案内されているため、まずは自分の環境のビルド番号と更新履歴を確認したうえで、公式KBページの記載と照らし合わせるのが確実です。
解決手順(簡単な方法から順に)

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作業前に、編集中のファイルは必ず保存し、可能ならバックアップを取ってください。更新プログラムの削除やロールバックはOffice全体に影響する操作です。
方法1|再起動とOfficeの修復を試す
まずはPCの再起動と、コントロールパネルの「プログラムと機能」からOfficeを選んで実行する「オンライン修復」です。ほかの原因による一時的な不具合であればこれで直ることがあります。
ただし今回の不具合は更新プログラム自体が原因のため、修復だけでは解決しないという報告が目立ちます。5分試して変化がなければ、次の手順へ進んだほうが早いでしょう。
方法2|MSI版の場合:KB5002914をアンインストールする
MSI版であれば、原因の更新プログラムだけを削除できます。手順は「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」→「更新プログラムをアンインストールする」から、一覧のKB5002914を選んで削除するだけです。
ここで注意点があります。Windows 11を最新の状態にしていると、この一覧にKB5002914が表示されずGUIから削除できないケースが複数報告されています。その場合は、管理者権限のコマンドプロンプトから次のコマンドを使えたという報告があります。
msiexec.exe /package "{90160000-0012-0000-1000-0000000FF1CE}" /uninstall "{27882596-A8ED-4382-9C71-6CD2DD19F732}" /qn /norestart
このコマンドはMicrosoft Q&Aで高く評価されており、投稿者Jose Sanchez(2026-09-10)が「複数のマシンで解決した」、質問者本人Policarpo Renteria(2026-09-10)が「この解決策が機能した」と実体験を報告しています(Microsoft Q&A、it-connect.tech)。コマンド中の{90160000-...}や{27882596-...}のような文字列はGUID(製品やパッチを一意に識別するコード)で、Office製品の種類・ビット数・言語によって異なる可能性があります。上記の例はExcel 2016向けの報告に基づくものなので、Excel 2019・2021・2024を使っている場合はそのままでは通らないことがあります。
そのまま通らない場合は、公式のKB5002914サポートページに記載の対象製品一覧で自分のOffice製品名・ビット数がどれに該当するかをまず確認してください。それでも自分の環境向けの正しいGUIDが特定できない場合は、無理にコマンドを実行せず、次の「方法3」に切り替えるか、法人環境であればIT管理者に確認するほうが安全です。
方法3|クイック実行版の場合:以前のビルドに戻す
クイック実行版では個別の更新プログラムだけを削除できません。Office展開ツール(ODT。社内のIT管理者がOfficeの展開・更新を一括管理するために使う公式ツールです)やグループポリシー(同じく組織のIT管理者がPC全体の設定を一括制御する仕組みです)、あるいは次のコマンドで、Officeのビルドそのものを更新前に巻き戻します(woshub.com)。個人利用であれば、下のコマンドをそのまま使う方法が手軽です。
"C:\Program Files\Common Files\microsoft shared\ClickToRun\officec2rclient.exe" /update user updatetoversion=<巻き戻したいビルド番号>
巻き戻した直後に自動更新が走ると元に戻ってしまうため、先にExcelの「ファイル」→「アカウント」→「更新オプション」から更新を一時的に無効にしておきます。修正版が配信されたら、忘れずに更新を再開してください。
効果が薄かった対処法(試す前に知っておきたいこと)

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ネット上でよく見かけるものの、確実とは言えない方法も整理しておきます。時間を無駄にしないための情報としてご活用ください。
| 対処法 | 現状わかっていること |
|---|---|
| 形式を選択して貼り付け(値のみ) | 回避策として紹介されるが、貼り付け自体が無反応になるケースでは同様に失敗するとの情報もある |
| Officeの再インストール | 「再インストールで直った」という報告がある一方、効果はまちまち |
| GUIからの更新プログラム削除 | 一覧にKB5002914が表示されず実行できないケースが複数報告されている |
Microsoft Q&Aには、投稿者Ricardo Almada(2026-09-09)による「最も基本的な機能まで壊してしまうとは。今や正常に動くのは切り取りと貼り付けだけだ」といった皮肉交じりの投稿も並んでおり(Microsoft Q&A)、多くの利用者が同じ状況に置かれていることがうかがえます。
それでも解決しない場合の対処法
法人でMicrosoft 365を利用している場合は、管理センターからサポートリクエストを提出し、影響範囲(対象バージョン・ビルド番号・発生台数)を添えて報告するのが最短です。具体的には、前述のチェック方法で確認した製品名とビルド番号(BleepingComputerが報告した事例では「Office Professional Plus 2019・バージョン16.0.10417.20207」「Excel 2016・16.0.5569.1003」のような形式)、MSI版かクイック実行版か、発生している端末数を書き添えると、サポート側が状況を把握しやすくなります。同じ報告が集まるほど、修正の優先度は上がります。
個人ユーザーは、公式のKB5002914サポートページをブックマークし、既知の問題欄が更新されていないか定期的に確認しましょう。同じ症状のスレッドが集まるMicrosoft Q&Aも、回避策の最新情報が集まりやすい場所です。
急ぎの作業があるなら、ブラウザ版のExcel(Excel for the web)や別のPCで一時的に作業を進めるのも現実的な選択肢です。ブラウザ版はローカルのOffice更新プログラムとは別に動作するため、今回の不具合の影響を受けずに済む可能性があります。
まとめ
Excelで貼り付け・コピペができない不具合の原因は、2026年9月8日配信の更新プログラムKB5002914です。あなたの操作ミスでもファイルの破損でもありません。まずは「ファイル」→「アカウント」でバージョンとビルド番号を確認し、MSI版ならアンインストール、クイック実行版ならロールバックへ進んでください。
再発防止としては、Officeの更新をすぐに適用せず数日待つ運用が有効です。クイック実行版なら「更新オプション」から更新のタイミングを調整でき、法人環境では更新チャネルを遅めに設定しておくと、月例更新直後の不具合を踏みにくくなります。
恒久的な修正パッチは2026-09-12時点で未発表です。最新の状況は必ずMicrosoft公式のKB5002914ページで確認し、修正版が配信されたら速やかに適用しましょう。同じ症状で困っている同僚がいれば、この切り分け方法を共有してあげてください。
