【一時金・年金・併用を比較】iDeCoの受け取り方|手続きの手順4ステップと税金の違い
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iDeCoの受け取り方は3種類|結論、一時金と年金どちらが得かはケース次第
先に結論です。iDeCo(個人型確定拠出年金)の老齢給付金は「一時金(一括)」「年金(分割)」「一時金と年金の併用」の3通りから選べます(三井住友銀行)。
どちらが得かは一律には決まりません。一時金は退職所得控除、年金は公的年金等控除と、使える控除の種類がまったく違うからです。会社の退職金の有無と金額、受給開始年齢によって有利な形が入れ替わります。
| 受け取り方 | 税制上の扱い | 使える控除 | 検討しやすいケース |
|---|---|---|---|
| 一時金(一括) | 退職所得 | 退職所得控除 | 退職金が少ない、または無い人 |
| 年金(分割) | 雑所得 | 公的年金等控除 | 退職所得控除の枠を退職金で使い切る人 |
| 併用 | 退職所得+雑所得 | 両方 | 一時金だけでは控除枠を超える人 |

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なお本記事は「受け取り(受給)」に特化しています。口座開設や加入の手続きは扱いません。制度の内容は2026-09-12時点のもので、税制は見直される可能性があるため、最終判断の前に運営管理機関や国税庁の公式情報を確認してください。
そもそもiDeCoはいつから受け取れる?受給開始年齢の早見表
受給開始年齢は原則60歳から75歳の間で本人が選べます。ただし60歳時点の「通算加入者等期間」(掛金を出した期間などの合計)が10年に満たない場合、受給できる年齢が段階的に後ろへずれます。
| 60歳時点の通算加入者等期間 | 受給開始できる年齢 |
|---|---|
| 10年以上 | 満60歳 |
| 8年以上10年未満 | 満61歳 |
| 6年以上8年未満 | 満62歳 |
| 4年以上6年未満 | 満63歳 |
| 2年以上4年未満 | 満64歳 |
| 1ヶ月以上2年未満 | 満65歳 |
60歳以降に初めてiDeCoに加入した場合は、加入日から5年が経過した後に受給できるとされています(三井住友信託銀行 よくあるご質問)。
自分がいつから受け取れるか確認する方法
まず、運営管理機関(申込先の金融機関)から届く残高のお知らせや取引状況の通知書で、自分の加入者等期間を確認します。企業型確定拠出年金からiDeCoへ資産を移換した人は企業型での加入期間が通算される場合があるため、通知書を紛失した場合や期間の合算が不明な場合は、運営管理機関のコールセンターやWeb照会サービスで確認しましょう。受給開始年齢は手続きの起点になるため、最初に押さえておくと安心です。
一時金・年金・併用|3つの受け取り方と税金の違い

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一時金で受け取る場合(退職所得控除)
一時金は税制上「退職所得」として扱われ、退職所得控除が使えます。控除額は加入年数20年以下なら「40万円×加入年数」(80万円に満たない場合は80万円)、20年超なら「800万円+70万円×(加入年数−20年)」です。
課税対象になるのは「(受取額−退職所得控除額)×1/2」の部分だけで、ほかの所得と分離して課税されます(国税庁 No.1420)。控除額の範囲内に収まれば所得税はかかりません。
年金で受け取る場合(公的年金等控除)
年金として分割で受け取ると「雑所得」となり、公的年金等控除が使えます。目安として65歳未満は年金収入60万円まで、65歳以上は110万円までが非課税ですが、収入が増えると控除率は段階的に下がります。
細かい区分は速算表で決まるため、金額の当てはめは国税庁 No.1600で確認してください。公的年金(老齢基礎年金・厚生年金)と合算して判定される点も見落としがちです。
モデルケースで比較する|加入20年・受取500万円の場合
加入期間20年・受取額500万円という仮の数値で考えてみます。一時金なら退職所得控除額は「40万円×20年=800万円」で、受取額500万円はこの範囲に収まるため、iDeCo単体では退職所得は発生せず所得税・住民税はかかりません(会社の退職金と合算する場合は次章の「受け取る順番」に注意)。年金なら雑所得として公的年金等控除の対象になり、iDeCoの受取額だけでなく老齢基礎年金・厚生年金など他の公的年金と合算した年間収入で非課税枠を超えるかどうかが決まる点が一時金との違いです。
判断の型は、①一時金=「その年の受取額」が退職所得控除の枠に収まるか、②年金=「他の年金と合算した年間収入」が公的年金等控除の枠に収まるか、の2軸で比較すると整理しやすくなります。
このモデルケースは加入期間20年・受取額500万円という仮定に基づく一例であり、実際に課税されるかどうかは加入年数・受取額・他の所得の有無によって変わります。正確な金額の判断は国税庁の情報や税理士・運営管理機関への確認をおすすめします。
一時金と年金を併用する場合
併用を選ぶと、一時金部分には退職所得控除、年金部分には公的年金等控除をそれぞれ適用できます。上のモデルケースのように、まず一時金側の控除枠を確認し、そこからはみ出す分を年金に回す、といった調整が可能です。
退職金がある人は要注意|受け取る順番で変わる税金(5年ルール・10年ルール・19年ルール)

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会社の退職金とiDeCoの一時金を両方受け取る場合、受け取る順番と間隔によって退職所得控除の重複期間が調整され、控除額が減ることがあります。判定期間はパターンごとに異なります。
| 受け取る順番 | 判定される期間 | 補足 |
|---|---|---|
| 退職金 → 退職金 | 前年以前4年内 | いわゆる5年ルール。変更なし |
| iDeCo一時金 → 退職金 | 前年以前9年内 | 2026年1月1日以後に支払を受ける退職金から適用 |
| 退職金 → iDeCo一時金 | 前年以前19年内 | いわゆる19年ルール。変更なし |
表の年数と呼び名がずれて見えるのは由来が違うためです。「4年内」「9年内」の2つは調整を避けるための「安全な間隔」(5年・10年空ける)を通称にしており、「19年内」は判定期間の数字をそのまま通称にしています。判断の基準は常に表の「判定される期間」の数字です。
注目すべきは2番目です。iDeCoの一時金を先に受け取ってから退職金を受け取るケースは、従来「前年以前4年内」で判定されていましたが、実質10年へ拡大されました(freee)。2025年12月31日までに一時金を受け取っていれば旧ルールで判定される経過措置があります。
具体的にいくら控除が減るかは、加入期間と勤続年数の重なり方で変わります。解説サイトの試算例はあくまで一例で、正確な金額は個別の状況によって変わる点に注意してください(相談先の目安は本記事末尾でまとめます)。
iDeCoの受け取り手続きの流れ|裁定請求書の提出から入金まで

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ステップ1|受給開始年齢と受け取り方を決める
早見表で受給できる年齢を確認し、一時金・年金・併用のどれにするかを決めます。退職金の受け取り予定がある人は、この段階で受け取り順まで含めて検討しておくと後戻りがありません。
ステップ2|運営管理機関に裁定請求書を提出する
受け取り方が決まったら、運営管理機関へ「老齢給付金裁定請求書」を提出します。本人確認書類などのほか、前年以前19年以内に退職金を受け取っている場合は「退職所得の源泉徴収票」の写しの添付が必要になることがあります(三菱UFJ銀行)。
ステップ3|年金の場合は支払回数と支給期間を指定する
年金で受け取る場合は、受給開始時に支払回数(年1回〜年12回)と支給期間(5年以上20年以下)を指定します。回数を増やすほど受け取りは細かくなりますが、そのぶん手数料の発生回数も増えます。
ステップ4|請求から入金までの期間と手数料を確認する
一時金は請求から入金まで概ね1〜2ヶ月程度が目安です。他制度からの資産移換手続きを経てからの請求では6ヶ月程度かかる場合もあります。生活費の計画は、入金時期に余裕を見て立てましょう。
また、給付を受け取るたびに給付事務手数料がかかります。金額は運営管理機関や信託銀行によって異なりますが、給付1回あたり数百円程度が一般的です。年金で細かく分割するほど総額は増えます。
受け取り方で失敗しないための注意点
- 退職金の受け取り時期が近い人は、受け取り順によって控除額が変わるため、早めに受け取る順番まで検討しておく(詳しくは前章)
- 年金受け取りは回数分の給付事務手数料がかかる。手取りへの影響を回数を決める前に確認する
- 公的年金等控除は他の公的年金と合算して判定されるため、年金額の見込みも合わせて確認する
- 制度・税制は改正されることがある。最新の取り扱いは国税庁と運営管理機関の公式情報で確認する
専門家に相談したほうがよいケース|税理士・運営管理機関への確認ポイント
ここまでは制度の一般的な仕組みとモデルケースです。次のような場合は自分の実際の数字での試算が必要になるため、税理士や運営管理機関のコールセンターに確認しましょう。
- 退職金とiDeCoの受け取り時期が数年以内に重なりそうな人
- 退職金の勤続年数とiDeCoの加入年数が大きく異なる人
- 他の年金収入や副業収入があり、公的年金等控除の枠を超えるか判断が難しい人
まとめ|自分に合った受け取り方を選ぶために今できること

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iDeCoの受け取り方は一時金・年金・併用の3択で、税金の扱いが変わります。判断材料は「退職金の有無と金額」「受給開始年齢」「使える控除」の3点です。まずは次の3つから始めてみてください。
- 通知書で通算加入者等期間を確認し、受給できる年齢を特定する
- 勤務先の退職金の見込み額と受け取り予定時期を洗い出す
- 一時金・年金・併用のどれが控除に収まるかを試算し、必要なら専門家に相談する
受け取り方は一度決めると後から変えにくい選択です。受給開始年齢が近づく前に、早めに情報を集めて準備を進めましょう。
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