弥生給与の年末調整で「配偶者の設定が一致していません」が出る原因と直し方|所得金額調整控除・寡婦ひとり親など全3エラーを解説
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弥生給与の年末調整で「配偶者の設定が一致していません」が出る原因と直し方|所得金額調整控除・寡婦ひとり親など全3エラーを解説

結論

弥生給与(やよいの給与計算・弥生給与Nextを含む)の年末調整で、「配偶者の設定が一致していません」という赤いふせんが出て、手が止まっていませんか。

所得金額調整控除や寡婦・ひとり親の要件を満たさないというふせんが出ることもあります。

いずれもソフトの故障ではなく、入力内容に合わせてソフトが正しく判定した結果です。原因が分かれば、担当者の操作で直せます。

なお、基礎控除額が48万円のままになる表示は令和7年分で実際に起きた事例で、令和8年分の今年は出ません。詳しくは本文後半の参考セクションで解説します。

原因と直し方を先に表で示します。

症状 主な原因 直し方
「基・配・特・所控除申告書の内容と配偶者の設定が一致していません」 申告書の所得金額と、扶養控除等申告書側の配偶者のチェックが矛盾している 赤いふせんから対象者を開き、配偶者のチェックか所得の見積額を直す
基礎控除額が48万円のまま(令和7年分で起きた事例) 12月の給与(賞与)が未入力で、[税額計算]が[旧法令(12月支給なし)]と判定されている 12月度給与を月度更新して明細を入力する。手動で変えた場合は[自動判定に戻す]

「配偶者の設定が一致していません」エラーは、[基・配・特・所控除申告書]の内容と扶養控除等申告書側の配偶者の設定が食い違うと表示されます。ソフトの不具合ではなく、画面の指示に沿って設定を見直せば解消します(弥生給与サポート情報)。以下、症状ごとに確認と修正の手順を説明します。

症状1:「配偶者の設定が一致していません」という赤いふせん

正式なメッセージは「基・配・特・所控除申告書の内容と配偶者の設定が一致していません」です。赤いふせんで表示され、そのままでは年末調整を進めにくくなります。

エラーメッセージの意味

年末調整で回収する申告書のうち、基礎控除・配偶者控除などの内容は[基・配・特・所控除申告書]画面に入力します。この画面に入れた本人と配偶者の所得と、扶養控除等申告書側の配偶者の設定が食い違うと、このふせんが出ます(弥生給与サポート情報)。

突き合わせの対象になる配偶者の設定は、主に次の3つのチェックです。

  • 源泉控除対象配偶者
  • 同一生計配偶者
  • 配偶者(特別)控除を受けない

矛盾の典型パターン

公式FAQには、矛盾のパターンが6通り載っています。そのうち具体例として示されているものと、関連するFAQにある入力ミスを表にまとめました。

基・配・特・所控除申告書の内容 配偶者設定の問題 対処
本人の合計所得900万円以下、配偶者の所得95万円以下 「源泉控除対象配偶者」にチェックがない 要件を満たすならチェックを入れる。所得の見積額が誤りならそちらを直す
配偶者の所得が133万円超 「配偶者(特別)控除を受けない」にチェックがない チェックを入れる。所得の見積額が誤りならそちらを直す
配偶者控除を受けない従業員で、配偶者の収入金額が未入力 所得0円とみなされ、配偶者控除額が計算されてしまう 画面上部の「配偶者(特別)控除を受けない」にチェックを入れる(FAQ)

残りのパターンは公式FAQ「基・配・特・所控除申告書の内容と配偶者の設定が一致していません」で確認してください。自分の従業員の入力と照らし合わせると、どこを直すかが分かります。

「配偶者の設定が一致していません」の原因の見分け方(弥生給与 年末調整)

解決手順(1)配偶者の設定が一致していないエラーを直す

配偶者のふせんは、対象者を特定して申告書の画面から直すのが早道です。修正後はふせんが自動で外れるため、はがす操作は要りません。

ふせんから対象従業員を特定する

公式FAQの手順は次のとおりです(弥生給与サポート情報)。

  1. 赤いふせんの「このふせんが付いた従業員の一覧を確認する」をクリックする
  2. 一覧で対象者の「基配特所」アイコンをクリックする
  3. [基・配・特・所控除申告書]画面が開く
  4. 緑字の項目をクリックして[扶養控除等情報入力]画面を表示する

対応表を見ながら配偶者の設定を直す

[扶養控除等情報入力]画面で、症状1の表と見比べて配偶者のチェックを直します。チェックが正しい場合は、申告書の合計所得金額の見積額の入力ミスを疑ってください。

修正したら進捗状況を更新します。矛盾がなくなればふせんは自動で外れます。

基礎控除や配偶者(特別)控除が0円で計算されない場合は、次の3点も確認してください(弥生給与サポート情報)。

  • 「あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算」欄に収入が入っていない
  • 「配偶者(特別)控除を受けない」にチェックが入っていて、その設定が優先されている
  • 配偶者の扶養親族等の登録に誤りがある

関連して出やすい他のふせん

所得金額の入力を直すと、別の控除の要件に関するふせんが出ることがあります。どちらも要件を満たさない入力に反応するもので、表示の条件が決まっています。

「所得金額調整控除の適用を受ける要件を満たしていません」

年間の給与収入(課税支給額の合計)が850万円を超え、かつ次のどれにも当てはまらない場合に表示されます(弥生給与サポート情報)。

  • 本人・同一生計配偶者・扶養親族のいずれかが特別障害者
  • 扶養親族が23歳未満

確認と対処の手順は次のとおりです。

  1. [年調明細個人別]画面で対象従業員の課税支給額(年間給与収入)が850万円を超えているか確認する
  2. 850万円を超えている場合、[扶養控除等情報入力]画面で本人・同一生計配偶者・扶養親族の該当区分(特別障害者)や扶養親族の生年月日(23歳未満かどうか)が正しく登録されているか確認する
  3. 入力漏れや誤りがあれば修正して年税額を再算出する。正しく入力されていてどれにも該当しない場合は、控除の対象外という仕様どおりの表示なので、ふせんを[はがす]で外してよい

「寡婦・ひとり親の設定が要件を満たしていません」

本年中の合計所得金額が500万円を超える従業員に表示されます。寡婦控除・ひとり親控除は所得500万円以下が適用の要件だからです(弥生給与サポート情報)。

確認と対処の手順は次のとおりです。

  1. [年調明細個人別]画面で対象従業員の課税支給額と、申告書の所得金額欄を確認する
  2. 合計所得金額が500万円を超えている場合は、控除の適用要件を満たさない仕様どおりの表示であることを確認する
  3. 所得金額欄の入力に誤りがある場合は、申告書の記載内容を修正し、年税額を再算出する

症状2:「基礎控除額が48万円のまま」になっていた(令和7年分の事例)

これは令和7年分(2025年処理分)の年末調整で実際に起きた事例です。令和7年分は基礎控除が引き上げられたのに、一部の従業員だけ48万円で計算されている、という症状でした。令和7年分の処理はすでに終わっており、令和8年分の基礎控除は本則62万円に特例の上乗せを加えると合計所得489万円以下の場合で最大104万円になるとされているため、同じ48万円という数値は今年は出ません。仕組みを知っておくと、今後また税制改正があったときの判断材料になります。

どの画面でどう表示されていたか

確認する場所は[年調明細個人別]画面の[税額計算]欄でした。ここが[令和7年度新法令]なら改正後の基礎控除で、[旧法令(12月支給なし)]なら改正前の48万円で年税額が計算される仕組みです。

旧法令で計算される従業員には、次のふせんが付いていました(弥生給与サポート情報)。

12月1日以降給与がないため、旧法令で年税額算出されます

このふせんは、12月の給与・賞与の課税支給額が0円の従業員か、[税額計算]を手で[旧法令(12月給与なし)]に変えた従業員に表示される仕様です。

判定の分岐を整理すると、次のようになります。

12月給与(賞与)の入力状況 [税額計算]の自動判定 基礎控除額 表示されるふせん
入力済み(課税支給額がある) 令和7年度新法令 改正後(58万〜95万円) なし
未入力・課税支給額0円 旧法令(12月支給なし) 改正前48万円 「12月1日以降給与がないため、旧法令で年税額算出されます」
手動で法令を変更し、自動判定と異なる 手動設定が優先 設定した法令による 「自動判定と異なる法令を税額計算に設定しています」

「基礎控除額が48万円のまま」になる判定フロー(令和7年分の事例・弥生給与)

原因は「12月給与が未入力で旧法令判定になっている」こと

弥生給与は、12月の給与(賞与)があるかどうかで、新法令と旧法令のどちらを使うかを自動判定する仕組みです。そのため、年末調整の作業を12月給与の入力より先に進めると、全員が「12月給与なし」とみなされ、旧法令の基礎控除額が表示されます。

この「12月給与の入力タイミングで新法令/旧法令が判定される」というメカニズム自体は、今後も税制改正があれば同様の挙動が起こる可能性があります。

12月度給与の月度更新を行って給与明細を入力すると、その時点の新法令が自動で適用される仕組みでした。改正後の基礎控除額もそこで自動計算されます(弥生給与サポート情報)。

そもそもなぜ起きるのか:令和7年度税制改正による基礎控除の見直し

令和7年分で48万円の表示が目に付いたのは、基礎控除の額そのものが変わったためです。改正の中身を知っておくと、今後また同様の改正があったときに画面の数字が正しいかどうかを自分で判断できます。

改正前48万円→改正後58万〜95万円

国税庁の資料によると、令和7年分以後の所得税では、一律48万円だった基礎控除が合計所得金額に応じて次のように変わりました(国税庁:基礎控除の見直し等)。

合計所得金額 改正後の基礎控除額
132万円以下 95万円
132万円超336万円以下 88万円
336万円超489万円以下 68万円
489万円超655万円以下 63万円
655万円超2,350万円以下 58万円

給与所得控除の最低保障額も55万円から65万円に引き上げられています。これらは令和7年12月に行う年末調整等で反映されます。

「12月1日以降給与がない従業員は旧法令」という適用ルール

改正後の控除は、令和7年12月の年末調整で反映する仕組みです。そのため、令和7年12月1日以降に給与等がない従業員は、新法令の適用を受けられず、11月以前の旧法令で年税額を計算します。

弥生給与のFAQも、次のように説明しています(弥生給与サポート情報)。

令和7年12月1日以降に給与等がない従業員は、令和7年度税制改正(新法令)の適用を受けることができません

なお、令和8年分の基礎控除はさらに見直され、本則62万円に特例の上乗せを加えて、合計所得489万円以下なら最大104万円になるとされています(令和7年分の58万円〜95万円とは異なる年度の制度です)。年度によって控除額が異なるため、作業中の年分と照らして確認してください。最新の制度は国税庁の資料で確認するのが確実です。

解決手順(2)基礎控除が48万円のままの問題を直す

ここでは、令和7年分で基礎控除額が48万円のままになっていた場合の修正手順を解説します(令和7年分の処理はすでに終わっていますが、同じ「12月給与の入力有無で法令判定が変わる」という仕組みは、今後の税制改正時にも参考になります)。まず、その従業員に12月の給与があるかどうかを確認してください。

12月給与を入力して新法令を自動適用させる

12月に給与(賞与)を支給する従業員なら、手順は次のとおりです。

  1. 12月度給与の月度更新を行う
  2. 12月の給与明細を入力する
  3. [年調明細個人別]の[税額計算]が[令和7年度新法令]になったことを確認する
  4. 基礎控除額が改正後の金額になったことを確認する

12月給与の入力前に年末調整の画面を確認していた場合は、まずこの手順を試してください。

旧法令のままでよいケースと新法令にすべきケース

12月に給与がない従業員で48万円と表示されるのは、税制上正しい計算です。判断の目安を表にまとめます(弥生給与サポート情報)。

状況 [税額計算]の扱い ふせんの扱い
12月1日以降に給与・賞与が本当にない 旧法令のままでよい [はがす]で手動で外す
12月に支給があるのに未入力 12月明細を入力して自動判定させる 入力後に判定が変わる
新法令を適用すべきと判断した [令和7年度新法令]に変更する 法令の変更で対応する

迷う場合は、顧問の税理士や所轄の税務署に確認してから設定を変えると安心です。

手動設定を元に戻す([自動判定に戻す])

[税額計算]を手で変えていて、それがシステムの自動判定と違う場合は「自動判定と異なる法令を税額計算に設定しています」というふせんが出ます(弥生給与サポート情報)。意図した設定なら、ふせんを[はがす]で外して構いません。

誤って変えていた場合は、次の手順で自動判定に戻します。

  1. [年調明細個人別]画面を開く
  2. [税額計算]で[自動判定に戻す]を選ぶ
  3. 「年税額の再算出が必要です」と表示されたら[はい]を選ぶ

それでも解決しない場合の対処法

入力を見直しても直らない場合は、ソフト側の状態を確認します。

プログラムのバージョンを確認する

参考として、令和7年分(2025年処理分)の年末調整に対応したプログラムが過去に提供された実績は次のとおりです(弥生「令和7年分 年末調整対応版」ご提供のお知らせ、2026-10-06時点)。

製品 対応版 提供開始
弥生給与26/やよいの給与計算26 Ver.29.0.1 2025年11月17日
弥生給与Next(クラウド) 令和7年分 年末調整対応 2025年10月30日20時頃

令和8年分(2026年処理分)に対応したバージョンの提供時期は本記事の調査時点では確認できていません。今から令和8年分の年末調整を行う場合は、弥生給与サポート情報「年末調整対応版プログラムは、いつ提供されますか?」のページで最新の対応バージョンと提供時期を確認し、古いバージョンのまま作業しないようにしてください。

年末調整の処理年度を確認する

処理年度がずれていると、所得税が正しく計算されません。公式FAQ(2026-10-06確認時点)は令和8年(2026年)分を前提に、令和7年分のままだと正しく計算されず、令和9年分になっていると「所得税が正しく計算できません」という警告が出て、バックアップファイルからの復元を勧めています(弥生給与サポート情報)。作業している年分とソフトの処理年度が合っているかを確認してください。

弥生のサポート窓口に問い合わせる

ここまで確認しても解消しない場合は、弥生のサポート窓口に問い合わせてください。サポートの対象や受付方法は契約内容によって異なるため、弥生給与のFAQ一覧とあわせて公式サイトで確認してください。問い合わせの際は、表示されたふせんの文言と、[年調明細個人別]の[税額計算]の設定を伝えると話が早く進みます。

まとめ

「配偶者の設定が一致していません」は申告書と配偶者設定の矛盾が原因で、所得金額調整控除・寡婦・ひとり親の要件エラーも入力内容に応じた仕様です。これらは年度に関係なく今後も起こりえます。一方「基礎控除額が48万円のまま」は12月給与の未入力による旧法令判定が原因で、令和7年分で実際に起きた事例です。いずれも入力を正せば解消し、ソフトの不具合を疑う前に確認できることが多くあります。

次回の年末調整で同じエラーを出さないために、次の点を作業前に確認してください。

  • [基・配・特・所控除申告書]の所得金額と、配偶者の3つのチェックを突き合わせる
  • 年間の給与収入や合計所得金額が、所得金額調整控除・寡婦・ひとり親控除の要件を満たしているか確認する
  • 12月度給与の月度更新と明細入力を、年末調整の計算前に済ませる
  • 弥生給与・やよいの給与計算を最新版にアップデートし、処理年度が合っているか確かめる

赤いふせんが出たら、まず「このふせんが付いた従業員の一覧を確認する」から対象者を開いてみてください。

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