プリンターが印刷できない・ドライバーが消える時の対処法5選【Windowsで保護された印刷モードが原因|Windows11 24H2/25H2】
Windows 11のパソコンで、昨日まで普通に使えていたプリンターが急に印刷できない。設定画面を開いたら、プリンターの一覧からアイコンごと消えている。そんな症状に心当たりはありませんか。
再起動やケーブルの抜き差しを試しても直らない場合、原因はプリンター側ではなくWindows側の新しい機能にあるかもしれません。落ち着いて順番にたどれば、多くのケースは自分で戻せます。
結論:原因は「Windowsで保護された印刷モード」。オフにしてドライバーを入れ直せば直る
結論から言うと、Windows 11 バージョン24H2以降に搭載された「Windowsで保護された印刷モード(Windows Protected Print Mode、略称WPP)」が有効になっていることが原因の可能性が高いです。この機能を有効にすると、Microsoft製以外(サードパーティ製)のドライバーを使っているプリンターはすべてアンインストールされます。
しかも印刷ドライバーはドライバーストアからも削除されるため、Microsoft Learnの公式ドキュメントが説明するとおり、プリンターの一覧から機器そのものが消えたように見えます。
直し方はシンプルで、「設定」からWPPをオフにし、メーカー公式サイトのドライバーを入れ直すことです。WPPを無効化しても削除されたドライバーは自動では復元されないため、この2つはワンセットで考えてください。
この記事で扱う5つの対処法を、先に一覧で示します。
| 対処法 | こんな症状の人向け | ポイント |
|---|---|---|
| 1. WPPをオフにする | 印刷できない/プリンターが消えた | 設定変更には管理者権限が必要 |
| 2. ドライバーを再インストール | オフにしても印刷できない | 自動復元されないので必須 |
| 3. 印刷スプーラーを再起動 | 印刷ジョブが残ったまま進まない | 1・2の後の補助的な対処 |
| 4. グループポリシーを確認 | 「オフにする」が押せない会社PC | 情報システム担当者に依頼 |
| 5. XPS・FAX・OneNoteを復旧 | 仮想プリンターも消えた | 機能ごとに個別に追加し直す |
こんな症状が出ていませんか?
まずは自分の症状を照らし合わせてみてください。WPPが原因の場合、次のような形で表れます。
- プリンターに印刷を送っても反応がなく、いつまでも印刷が始まらない
- 「プリンターとスキャナー」の一覧から、使っていたプリンターが消えている
- メーカー公式ドライバーを入れ直そうとしても失敗する、新しいポートも作成できない
これは特定メーカーだけの不具合ではありません。CanonのサポートはWindows 11 24H2/25H2の制限事項として製品カテゴリ別にFAQを公開し、Ricohのサポート情報も「インストール済みのプリンタドライバがすべてOSにより自動削除され使用不可になる」仕様だと明記しています。
実際に表示されるエラーメッセージ例
ドライバーのインストール時には、「操作を完了できませんでした(エラー 0x000004ec)。このプログラムはグループポリシーによってブロックされています。」というエラーが出る事例がEpsonのFAQで案内されています(2026-09-11時点)。
「グループポリシー」という言葉から会社の設定を疑いがちですが、個人向けのWindows 11 Homeでも同様にプリンターが動かなくなったという報告がMicrosoft Q&A(2026-05-26投稿)に寄せられています。
原因は「Windowsで保護された印刷モード」という新機能
WPPは、Windows 11 バージョン24H2以降とWindows Server 2025に搭載された印刷の新しい仕組みです。メーカー独自のドライバーを介さず、Windows標準のドライバー(Windows Ready Print)だけで印刷することで、安全性を高めるのが狙いです。

(画像出典: Microsoft Learn「Windowsで保護された印刷モード」)
なぜドライバーが「消える」のか
WPPを有効にすると、サードパーティ製ドライバーを使っているプリンターがアンインストールされ、ドライバー本体もドライバーストア(Windowsがドライバーを保管しておく内部の保存領域で、ふだん目にする「プリンターとスキャナー」の一覧とは別の場所です)から削除されます。さらに有効な間は、非対応プリンターの新規インストールもブロックされます。
厄介なのは、この削除が自動では戻らない点です。WPPを無効化しても消えたドライバーは復元されないため、メーカー公式ドライバーの再インストールが必ず必要になります。大塚商会のFAQも同じ仕様を案内しています。
Mopria認定プリンターでも消えることがある
「うちのプリンターは対応機種のはずなのに」と思った方もいるはずです。世界で1億2,000万台超が該当する「Mopria認定プリンター」(WPPと互換性があると認定されている機種)でも、サードパーティ製ドライバーで既定インストールされていた場合は、いったんアンインストールされます。

再インストール自体は可能で、その後はメーカー製ドライバーの代わりにWindows Ready Printが使われます(画像出典: Microsoft Learn)。
誰が・いつ有効にしたのか
2026-09-11時点で、WPPは既定では無効です。有効になっているとすれば、自分で「安全な印刷」として設定したか、会社のグループポリシーで強制されているかのどちらかと考えられます。
Microsoftの公式FAQは「将来の日付に既定で有効になります」と明記していますが、具体的な日付は公表されていません。なお2026年は印刷まわりの仕様変更が複数重なっているとされ、他の変更と混同されることもあるため、公式情報での確認をおすすめします。
【対処法1・2】WPPをオフにしてドライバーを入れ直す
ここからが実際の直し方です。まずはこの2つを順番に行ってください。
手順1:設定でWPPを確認してオフにする
- 「設定」を開く
- 「Bluetoothとデバイス」→「プリンターとスキャナー」を選ぶ
- 下にスクロールして「プリンター設定」内の「Windowsで保護された印刷モード」を開く
- 「オフにする」を選び、確認ダイアログで「はい」を選ぶ

設定の変更には管理者権限が必要です(画像出典: Microsoft Learn)。
手順2:メーカー公式サイトから最新ドライバーを再インストールする
WPPをオフにしただけでは印刷は戻りません。いったんプリンターを削除し、メーカー公式サイトから最新のドライバーを手動でダウンロードして入れ直す流れで解決に向かったという報告が、前述のMicrosoft Q&Aに投稿されています。
Ricohのように、純正ドライバーがなくてもステープルや部門コードといった独自機能を使える「RICOH Print Support Application(PSA)」を用意しているメーカーもあります。Ricoh公式のサポート情報では、WPP環境下でもPSAを導入すればこうした固有機能を維持できると案内されています。他メーカーでも同様の専用アプリが用意されている場合があるため、お使いの機種のサポートページでPSA相当のアプリの有無を確認してみてください。
【対処法3・4】スプーラー再起動と、会社PCでのグループポリシー確認
手順3:印刷スプーラーサービスを再起動する
ドライバーを入れ直しても古い印刷ジョブが残って進まない場合は、「サービス」アプリから「Print Spooler(印刷スプーラー)」を選んで再起動します。あくまで手順1・2を済ませたうえでの補助的な対処です。
手順4:「オフにする」が押せないときはグループポリシーを疑う
会社の貸与PCなどでWPPがグループポリシーによって有効化されている場合、ユーザーが設定画面から個人でオフにすることはできません。この場合は管理者側の作業になります。
社内の情報システム担当者に、Microsoftの企業向けドキュメントにある「コンピューターの構成」→「管理用テンプレート」→「プリンター」→「Windowsで保護された印刷を構成する」の変更を相談しましょう。
【対処法5】XPS・FAX・OneNoteへの印刷が消えた場合の戻し方
消えるのは紙に印刷するプリンターだけではありません。WPPを有効にすると、Windows非対応のソフトウェアプリンターもまとめてアンインストールされます。それぞれ次の場所から追加し直せます。
| 消えた機能 | 復旧方法 |
|---|---|
| Microsoft XPSドキュメントライター | 「スタート」→「Windowsの機能」を検索→「Microsoft XPSドキュメントライター」を選択 |
| Windows FAXとスキャン | 「設定」→「システム」→「オプション機能」から追加 |
| OneNote(デスクトップ)への印刷 | バージョン26100以降のWindows 11+OneNoteアプリ2410以降なら「OneNote (デスクトップ) – 保護された仮想プリンター」が既定でインストールされ、印刷を継続できる |
それでも印刷できないときに確認すること
最後に、手順1・2を済ませてもなお直らないときの確認ポイントです。まず見てほしいのが、新しいポートの作成でエラーが出ていないかどうかです。WPPが有効なままだと新規のポート作成自体がブロックされる仕様のため、ポート作成に失敗する場合は「設定」画面でWPPが確実にオフになっているかをもう一度見直してください。
Microsoft Q&Aには、Canon MF650C Series UFR IIで印刷が失敗し、ポート確認や再起動といった基本的な対処では改善しなかったという報告(2026-05-10投稿)もあります。基本的なトラブルシューティングだけで粘らず、早めにWPPの設定とドライバーの再インストールを確認するのが近道です。
ここまで試しても改善しない場合は、プリンター本体の故障やネットワーク側の問題も考えられます。Canon・Epson・Ricohなど各メーカーのサポート窓口に、機種名とWindowsのバージョンを添えて相談してください。
まとめ
Windowsで保護された印刷モードで印刷できないときは、「設定からWPPをオフにする」→「メーカー公式ドライバーを再インストールする」の2ステップがまず基本です。それでも直らなければ、スプーラー再起動、グループポリシーの確認、XPS・FAX・OneNoteの個別復旧と進めてください。
再発防止のポイントは2つあります。ひとつは、WPPを自分で有効にする前に、メーカー公式サイトで印刷サポートアプリ(PSA)の対応状況やMopria認定の有無を確認しておくこと。もうひとつは、2026-09-11時点では時期未定ながらWPPが将来的に既定で有効になる予定である以上、お使いのメーカーのサポート情報を定期的に確認しておくことです。
本記事の内容は2026-09-11時点の公開情報に基づいています。設定画面の名称や手順は更新される場合があるため、作業前にMicrosoft Learnの公式FAQとお使いのメーカーのサポートページで最新情報をご確認ください。まずは「プリンターとスキャナー」の設定画面を開いて、WPPがオンになっていないかチェックするところから始めましょう。
