生命保険の入院給付金を請求する手順|必要書類・診断書の要否・時効3年・振込までの日数をまとめて確認
結論:入院給付金の請求は5ステップ、必要書類は基本2点
入院や手術をしたあと、「入院給付金はどこに、どうやって請求すればいいのか」と迷う人は少なくありません。結論から言うと、請求の流れは保険会社が変わってもほぼ共通で、次の5ステップで進みます。書類さえそろえば、手続き自体は自分で進められます。
| ステップ | やること | 主な手続き先 |
|---|---|---|
| 1 | 保険会社へ連絡する | コールセンター・Webサイト・担当者 |
| 2 | 請求書類一式を受け取る | 郵送またはWeb |
| 3 | 医療機関で必要書類を取得する | 入院した病院の窓口 |
| 4 | 請求書に記入して提出する | 郵送・Web・窓口 |
| 5 | 審査を経て給付金が振り込まれる | 指定口座 |
必要書類の基本は「保険会社所定の給付金請求書」と「診断書」の2点です。ただし入院日数が短い、責任開始から一定期間が経過しているなど所定の条件を満たす場合は、診断書の代わりに医療機関発行の領収書・診療明細書で請求できることがあります(生命保険文化センター)。
支払いまでの目安も約款で決まっています。請求に必要な書類が保険会社に到着した日の翌日から起算して5営業日以内に支払う、という規定が標準的です(土日祝日などの休業日は日数に含みません)。事実確認や調査が必要な場合は、より長い期間がかかることがあります(メットライフ生命)。

出典: Unsplash「Sign here」by Scott Graham
請求を始める前に準備するもの
最初に電話やWebで連絡する時点で聞かれる内容は、おおむね決まっています。手元に次の情報をそろえてから連絡すると、1回のやり取りで書類の手配まで進みます。
- 保険証券(証券番号)と契約している保険会社名
- 被保険者の氏名・生年月日
- 病名(傷病名)
- 入院日と退院日
- 手術を受けた場合は手術日と手術名
- 給付金の振込先口座
証券番号・被保険者氏名・入院日に加えて、病名、入院日・退院日、手術日・手術名を分かる範囲で伝えると、その後のやり取りがスムーズになります(生命保険文化センター)。保険証券が手元にない場合は、その旨を伝えて契約の確認方法を案内してもらいましょう。
入院給付金を請求する5つの手順
ステップ1:保険会社へ連絡する
まずは契約している保険会社に連絡します。窓口はコールセンター、公式サイトの請求フォーム、担当者の3通りが一般的です。かんぽ生命は「保険金請求Webサービス」を用意しており、会員登録不要・24時間、スマートフォンやパソコンから傷病名や手術日などを入力して請求できます。郵便局の窓口やコールセンター経由での請求も可能です(かんぽ生命)。

出典: Unsplash「Two women wearing headsets in a bright office workspace」by Charanjeet Dhiman
ステップ2:届いた請求書類一式を確認する
連絡すると、保険会社所定の請求書が郵送されるか、Webの請求画面が案内されます。同封の案内には「その契約で何が必要か」が書かれているため、書類を書き始める前に必ず読みましょう。第一生命では、条件によって所定の診断書が必要になる場合に、会社側から診断書の用紙が郵送されてくる運用があります(第一生命)。
ステップ3:医療機関で必要書類を取得する
診断書が必要な場合は、入院した医療機関の窓口に保険会社所定の用紙を出して作成を依頼します。診断書は治療が終わって退院してから依頼するのが基本です(生命保険文化センター)。発行まで日数がかかることもあるため、退院後は早めに依頼してください。
簡易請求ができる場合は、診断書の代わりに「入院期間と入院基本料等の算定期間が記載された領収書」と「診療明細書」を用意します。会計時に受け取るこれらの書類は、請求まで捨てずに保管しておきましょう。

出典: Unsplash「white hospital bed in a room」by Ante Samarzija
ステップ4:請求書に記入して提出する
請求書には受取人の氏名、振込先口座、入院日・退院日、手術名などを記入します。記入漏れがあると受け付けてもらえなかったり、確認のため審査が長引いたりします。とくに傷病名・手術名や処置名・薬剤名の記載欠落、委任状の記載漏れは差し戻しの代表例です(メットライフ生命)。
提出方法は郵送のほか、Webアップロードや窓口があります。かんぽ生命のWebサービスでは、保険証券や領収書などを写真で撮ってアップロードする形式で、運転免許証などの本人確認書類も併せて提出します。

ステップ5:審査を待ち、振込を確認する
書類が受理されると、保険会社が支払可否を審査します。振込までの日数は本記事冒頭で触れたとおり、書類到着の翌日から起算して5営業日以内が原則です。振込は通帳や取引明細で確認できます。給付金の内訳や対象期間に疑問があるときは、保険会社に照会しましょう。
診断書は必ず必要?簡易請求で代えられるケース
診断書は請求者の自己負担で取得するのが原則です。そのため「診断書を使わずに請求できないか」を先に確認すると、手間も費用も抑えられます。第一生命の例では、次のように診断書以外の書類で請求できる場合があります。
| 請求内容 | 原則の必要書類 | 条件を満たせば代えられる書類 |
|---|---|---|
| 入院給付金 | 保険会社所定の請求書+診断書 | 入院期間と入院料等(または診断群分類)が記載された領収書+診療明細書 |
| 手術給付金 | 保険会社所定の請求書+診断書 | 手術名が記載された診療明細書 |
ただし条件は会社・契約ごとに異なります。第一生命では、責任開始日(保険会社の保障が実際に始まった日のことです)から入院日・手術日までが2年を経過していない場合など、条件によっては保険会社所定の診断書が必要になります。
日本生命でも原則は所定の請求書と診断書で、契約内容や請求内容によっては領収証の写しで請求できる場合があるとしています(日本生命FAQ)。すでに他社提出用や病院発行の診断書を取得済みなら、まずそれを提出するよう案内されています(日本生命FAQ)。
かんぽ生命は、診断書が不要な請求の対象を広げる制度改定を行った実績があるとされています。適用条件は変わり得るため、請求前に公式サイトの案内で最新の条件を確認してください。
診断書の費用は、給付金から差し引かれるものではなく請求者の負担になるのが原則です。金額は医療機関や書類の種類で差がありますが、数千円から1万円程度が目安とされています。なお、太陽生命のように、請求したものの支払要件に該当せず給付金を受け取れなかった場合に診断書の取得費用の一部を負担する制度を設けている保険会社もあります(太陽生命)。全社共通の仕組みではないため、加入している保険会社の約款や公式サイトのFAQで「診断書費用」「不支給時の費用負担」といった項目を確認してください。
保険会社ごとに違う請求窓口と受付方法
「入院給付金 請求 手順」を調べると会社ごとに説明が違って見えますが、共通しているのは「まず保険会社に連絡する」「所定の請求書を使う」という2点です。違いが出るのは窓口の種類と、診断書を省略できる条件です。
| 保険会社 | 主な請求窓口 | 書類面の特徴 |
|---|---|---|
| 日本生命 | 所定の請求書を取り寄せて提出 | 原則は請求書+診断書。契約・請求内容により領収証の写しで請求できる場合がある |
| 第一生命 | 公式サイトの請求手続きページから連絡 | 領収書+診療明細書で請求できる場合がある。条件により所定の診断書が郵送される |
| かんぽ生命 | 保険金請求Webサービス/郵便局窓口/コールセンター | Webは会員登録不要・24時間。必要書類を写真でアップロード |
様式名や簡易請求の条件は各社で異なるため、他社向けの説明や他人の体験談をそのまま当てはめないことが大切です。必ず契約している会社の案内に従ってください。
請求のタイミングと振込までにかかる日数
請求は、退院や治療の一区切りがついたタイミングでまとめて行うのが一般的です。診断書も治療終了後・退院後に医師へ依頼するのが基本になります(生命保険文化センター)。入院が長引いている場合は入院中でも請求できることがあるので、保険会社に相談してみてください。
振込までの日数の基本ルール(書類到着の翌日から起算して5営業日以内)はここまでで述べたとおりですが、5営業日は土日祝日や年末年始の休業日を含まない数え方のため、連休をはさむと着金までの実日数はその分長くなります。書類の不備があったり、告知内容の事実確認が必要になったりした場合は、さらに時間がかかります。
よくある失敗と対処法
入院給付金の請求でつまずきやすいのは、主に次の4つのパターンです。自分に関係がありそうなものから読んでみてください。
- 書類の不備で差し戻される
- 本人が請求できない状態になった
- 請求を忘れたまま年数が経ってしまった
- 給付金が支払われないと言われた
書類の不備で差し戻される
もっとも多いつまずきが記入漏れです。傷病名、手術名や処置名、薬剤名の記載が欠けていたり、委任状に記載漏れがあったりすると、受付できずに戻されるか、確認のため審査が通常より長引きます。投函前に、請求書の記入欄と添付書類の両方をチェックしましょう。
本人が請求できない状態になった
意識不明の状態や、傷病名の告知が本人に難しいケースに備えて「指定代理請求制度」があります。契約者があらかじめ被保険者の同意を得て、1契約につき1名を指定代理請求人(配偶者、3親等内の親族、同居家族、財産管理人など)として指定できる制度です(生命保険文化センター)。
入院給付金や手術給付金も代理請求の対象になり得ますが、対象範囲は保険会社によって異なります(プルデンシャル生命)。請求が必要になってから慌てて指定するのは難しいため、契約内容を落ち着いて確認できるうちに、指定の有無をチェックしておきましょう。
請求を忘れたまま年数が経ってしまった
給付金の請求権には時効があり、支払事由が生じた日の翌日から起算して3年で時効消滅すると約款に定められています(保険法第95条に基づく規定)。ただし3年を過ぎた時点で自動的に権利が消えるわけではなく、実務上は3年を超えていても保険会社が請求に応じて支払うケースが多いとされています(ジブラルタ生命FAQ)。
書類がそろえば請求できる場合があるので、期限を過ぎていても諦めずに保険会社へ相談してください(メディケア生命FAQ)。
給付金が支払われないと言われた
支払われない主なケースは3つです。1つめは告知義務違反(契約時に持病や既往歴など、告知すべき事項を偽ったり伝えなかったりすること)で、責任開始日から2年以内に発覚した場合は契約解除・不払いとなり得ます。2つめは免責事由(保険会社が支払い責任を負わないと約款で定めている事由)への該当で、責任開始・復活から一定期間内の自殺や、契約者・受取人の故意などが該当します。3つめは、入院日数や手術の種類が保険の支払要件を満たさないケースです(生命保険文化センター)。
支払対象かどうかは約款の支払事由の定義で決まります(ネオファースト生命)。判断に納得できない場合は、どの条項に基づく判断なのかを保険会社に確認しましょう。
まとめ
入院給付金の請求は、保険会社への連絡から始まり、書類の取得・提出、審査を経て振込へと進みます。押さえるべきポイントは次のとおりです。
- 流れは「連絡→書類受け取り→医療機関で書類取得→提出→審査・振込」の5ステップ
- 必要書類の基本は所定の請求書と診断書。条件を満たせば領収書・診療明細書で代えられる場合がある
- 支払期限は書類到着の翌日から起算して5営業日以内が標準的な約款規定
- 請求権の時効は3年だが、過ぎていても相談する価値がある
- 本人が請求できない事態に備え、指定代理請求人の指定を確認しておく
今日できることは2つです。まず、契約している保険会社の公式サイトや約款で、自分の入院・手術のケースが診断書必須なのか、簡易請求(領収書・診療明細書)で足りるのかを確認してください。次に、指定代理請求人を指定しているかどうかを確認し、指定していない場合は保険会社に手続き方法を問い合わせておきましょう。保険証券がまだ手元にない場合は、まずそれを探すところから始めてください。条件は契約ごとに異なるため、最終的な判断は必ず加入先の案内と約款で確認してください。
