【令和8年分】年調ソフトが動かない・所得0円になる不具合2選|発生条件チェックと11月中旬再リリースまでの対処法
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【令和8年分】年調ソフトが動かない・所得0円になる不具合2選|発生条件チェックと11月中旬再リリースまでの対処法

結論

年調ソフトで扶養親族の所得金額が0円になるのは、国税庁公表済みの不具合です。「扶養親族の合計所得金額が入力できない」「所得の見積額が0円になる」と困っていませんか。

Androidで控除申告書のPDFを開こうとしたら画面が真っ暗になった、という方もいるかもしれません。

結論から言うと、どちらも国税庁が公表している年調ソフトの既知の不具合です。お使いのパソコンやスマホが壊れたわけでも、入力操作を間違えたわけでもありません。

国税庁は2026年10月22日付で「令和8年分年調ソフトに関する事象について」を公表し、次のように説明しています。

当ソフトに関しまして、現在、下記のとおり、動作に影響する事象を確認しており、原因の調査及び対応を進めております。ご利用の皆様にご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。

公表された不具合は次の2件です。

不具合 主な症状 暫定対応
① 扶養控除等申告書の入力 扶養親族の合計所得金額を入力できず、所得の見積額が0円として扱われる 3つの発生条件に当てはまるか確認し、控除額を見直す
② Android端末での印刷 「書面出力」を選ぶと画面がブラックアウトし、PDFを見られない 「電子データで出力する」を選んでPDFを保存する

国税庁は、どちらも修正したうえで令和8年11月中旬頃に再リリースする予定としています(2026年10月29日時点。あくまで予定で、確定した日付ではありません)。

この記事では、不具合①に当てはまるかを3つの条件で判定する方法と、再リリースまでの対処法を順に説明します。

【セルフチェック】年調ソフトの不具合①に当てはまるか3つの条件で確認する

不具合①が起きるのは、次の3つの条件をすべて満たしたときです。扶養控除等(異動)申告書の入力画面を開いて、扶養親族ごとに確かめてください。

年調ソフトの不具合①に当てはまるかを3条件で確認するセルフチェック図

No. 確認する項目 当てはまる条件 チェック
1 扶養親族等の年齢 23歳未満 □
2 「他の所得者の控除対象」の回答 “はい”を選んでいる □
3 「令和8年分の所得の見積額」 62万円を超える □

3つすべてにチェックが付いた扶養親族がいれば、不具合①の対象です。1つでも当てはまらなければ、この不具合の対象にはなりません(出典: 国税庁「令和8年分年調ソフトに関する事象について」)。

対象になると何が起きるか

3つの条件を満たすと、「扶養控除等(異動)申告書」画面で「扶養親族の合計所得金額」を入力できません。そして、その扶養親族の所得の見積額は、ソフトの仕様上0円として設定されます。

国税庁は、想定される影響として次の3点を挙げています。

  • 所得金額調整控除申告書の画面で、23歳未満の扶養親族がいる前提の申告書を作れてしまい、所得金額調整控除額が過大になる場合がある
  • 保険料控除申告書の画面で、生命保険料控除額が過大になる場合がある
  • 所得金額調整控除申告書と保険料控除申告書のXMLデータで、合計所得金額(見積額)が0円になる

XMLは、年調ソフトから勤務先へ提出する電子データの形式です。「具体的にいくら過大になるか」の試算は国税庁の資料には書かれていません。金額は個別の状況で変わるので、該当する場合は次の対処法で確かめてください。

なぜ起きる?原因は「特定親族」と年調ソフトの仕様の食い違い

不具合①の背景には、令和8年分から新しく設けられた特定親族特別控除があります。国税庁の資料も、影響の説明で「扶養親族を有していない(例えば、『特定親族』に該当している場合など)にもかかわらず」と明記しています。

特定親族とは

国税庁タックスアンサーNo.1177によると、特定親族は次の条件をすべて満たす親族です。

  • 納税者と生計を一にする19歳以上23歳未満の親族等
  • 年間の合計所得金額が123万円以下(給与収入だけなら197万円以下)
  • 「控除対象扶養親族」に該当しない

特定親族特別控除の額は、特定親族の合計所得金額に応じて段階的に決まります。

特定親族の合計所得金額 控除額
62万円超85万円以下 63万円
85万円超90万円以下 61万円
90万円超〜120万円以下 5万円刻みの区分ごとに逓減
120万円超123万円以下 3万円

出典: 国税庁タックスアンサーNo.1177 特定親族特別控除(2026年10月29日確認)

「62万円超」が分かれ目になる理由

不具合の発生条件にある「所得の見積額62万円超」は、この控除の対象になる所得の下限と同じ線です。23歳未満で所得が62万円を超える親族は、本来は「扶養親族」ではなく「特定親族」として扱う必要があります。

ところが、年調ソフトの扶養控除等申告書の画面がこの区別に対応できていません。その結果、所得を入力できず0円として処理されてしまう、というのが国税庁自身の注記から読み取れる仕組みです。

なお、制度全体の詳しい解説はこの記事の範囲外です。控除の要件はタックスアンサーで確認してください。

対処法① 扶養親族の所得金額が0円になる問題への今すぐの対応

国税庁は不具合①について、修正版の再リリース予定を案内しています。ここでは、それまでに実務担当者が取れる確認の手順をまとめます。以下は国税庁の公式手順ではなく、資料の内容に基づく確認のポイントです。

手順1 該当する従業員・扶養親族をリストアップする

経理・総務の担当者は、上のセルフチェック表の3条件を使って対象者を洗い出します。3つすべてに当てはまる従業員が、控除額を見直す対象です。

具体的には、扶養控除等申告書をExcel等の一覧で管理している場合は年齢・所得見積額の列で絞り込みます。紙やPDFで管理している場合は、従業員ごとに上の表と照合してください。

従業員を雇用していない個人事業主の場合も、同じ3条件で自分自身の扶養控除等申告書を確認してください。対象の家族がいれば、次の手順2・3は自分自身の控除額の見直しとして進めます。

手順2 提出前に控除額をダブルチェックする

対象者がいた場合は、ソフトが出した数字をそのまま使わず、「対象になると何が起きるか」で挙げた3つの影響が実際に出ていないかを見直します。

当てはまる親族が特定親族に該当する場合は、上の表で控除額の目安も確かめておくと安心です。

手順3 11月中旬の再リリースを待ってから最終提出する

締め切りに余裕があるなら、修正版を待ってから入力し直すのも選択肢です。国税庁は「令和8年11月中旬頃に再リリースを予定」としています。

ただし2026年10月29日時点では、日付の確定や前倒し・遅延の続報は確認できていません。最新情報は国税庁の年調ソフトのページで確認してください。

対処法② Android端末で控除申告書のPDFが見られないときの対処法

不具合②は、Android端末で控除申告書の「書面出力」を選び、画面を進めていくと画面がブラックアウトする症状です。作成した控除申告書のPDFを閲覧できなくなります。

国税庁が案内する回避手順

修正版のリリースまでは、次の手順でPDFを確認できます(出典: 国税庁の公表資料)。

  1. 控除申告書の「出力形式の選択」画面で「電子データで出力する」を選ぶ
  2. メーラー(メールアプリ)に連携された控除申告書のPDFを、適宜の方法で端末に保存する
  3. 保存したPDFを、PDF閲覧ツールで開いて確認する

「書面出力」を選ばないことがポイントです。

令和8年分年調ソフトの経緯

今回の不具合が公表されるまでの流れを、国税庁の資料をもとに整理します。

令和8年分年調ソフトのプロトタイプ版公開から不具合公表・再リリース予定までの経緯図

時期 出来事
2026年8月7日 プロトタイプ版を公開
2026年10月1日 正式版を国税庁ホームページで公開
2026年10月22日 不具合2件を公表
2026年11月中旬頃 修正版の再リリース予定(未確定)

出典: 国税庁「令和8年分年調ソフト(プロトタイプ版)からの変更点」、国税庁「令和8年分年調ソフトに関する事象について」(いずれも2026年10月29日確認)

それでも解決しない場合は国税庁のヘルプデスクへ

3つの条件に当てはまらないのに入力できない場合や、回避手順でもPDFが開けない場合は、別の原因も考えられます。そのときは年調ソフトのヘルプデスクに問い合わせてください。

問い合わせ先は国税庁の年調ソフトのページまたは年調ソフトの「お問合せ」画面で確認できます。連絡先や受付時間は変わることがあるので、最新の情報を確認してから問い合わせてください。

問い合わせの際は、上のセルフチェック表でどの条件に当てはまったかと、使用している端末の種類・OSのバージョンを伝えておくと、回答がスムーズになります。

まとめ

年調ソフトの入力画面がおかしいと感じたら、まず国税庁が公表した2件の不具合に当てはまるかを確かめましょう。

  • 23歳未満・「他の所得者の控除対象」が”はい”・所得見積額62万円超の3条件がそろうと、所得金額が0円として扱われる
  • 該当者がいたら、所得金額調整控除と生命保険料控除の額を提出前に見直す
  • Androidで画面が真っ暗になるときは「電子データで出力する」を選び、PDFを保存して開く
  • 修正版は11月中旬頃に再リリース予定(2026年10月29日時点)

今日のうちに、扶養控除等申告書のデータから3条件に当てはまる扶養親族がいないかを確認しておくと安心です。修正版が公開されたら、該当者の入力をもう一度見直しましょう。最新の状況は国税庁の年調ソフトのページで確認できます。

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