万年筆で書類にサインしている手元
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傷病手当金の申請方法|いくらもらえる?【計算式つき】もらえる条件4つ・必要書類・支給期間1年6ヶ月と振込までの流れ

病気やケガで会社を長く休むことになったとき、いちばん不安なのは「収入が止まること」ではないでしょうか。健康保険には、そんなときに給与の代わりを補ってくれる傷病手当金という制度があります。

この記事では傷病手当金の申請方法を、もらえる条件 → 支給額の計算 → 必要書類 → 振込までの流れの順に整理します。記載内容は2026-09-03時点で全国健康保険協会(協会けんぽ)などの公式ページを確認したものです。

万年筆で書類にサインしている手元

出典: Pixabay

結論|傷病手当金は1日あたり「標準報酬月額の平均÷30×2/3」がもらえる

先に結論です。傷病手当金は、業務外の病気やケガで働けなくなった健康保険の被保険者が受け取れる給付で、1日あたりの額は「支給開始日以前の直近12ヶ月間の各標準報酬月額(社会保険料の計算に使う給与の区分額です)を平均した額 ÷ 30 × 2/3」で計算します(協会けんぽ 病気やケガで会社を休んだとき)。

たとえば標準報酬月額の平均が30万円なら1日あたり約6,667円、30日休んだ月はおよそ20万円が目安です。申請は「健康保険傷病手当金支給申請書」を加入している健康保険へ提出するのが基本の流れになります。

項目 内容
対象になる人 業務外の病気・ケガで働けない健康保険の被保険者
1日あたりの額 標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3
待期期間 連続する3日間(支給は4日目から)
支給期間 支給開始日から通算して1年6ヶ月
必要な書類 健康保険傷病手当金支給申請書(本人・会社・医師の3記入欄)
提出先 加入している健康保険(協会けんぽなら各都道府県支部)

以下、それぞれの項目を順番に見ていきます。

傷病手当金をもらえる4つの条件

傷病手当金の支給には、次の4つの条件をすべて満たす必要があります(協会けんぽ よくあるご質問)。ひとつでも欠けると支給されないため、申請前にここを確認してください。

病室のベッドで療養する患者を看護師がケアしている様子

出典: Pixabay

条件1|業務外の病気・ケガであること

対象になるのは、仕事以外の原因による病気やケガの療養です。業務中や通勤中の負傷は労災保険の管轄になるため、傷病手当金は支給されません。また、美容整形など治療を目的としない療養も対象外です。

条件2|療養のため仕事に就くことができない状態であること

「働けない状態(労務不能)」であることが必要です。この判断は自己申告ではなく、申請書の療養担当者記入欄に主治医が記載する形で示します。診断書とは別に申請書へ直接書いてもらう点がポイントです。

条件3|連続する3日間を含み4日以上休んでいること

連続する3日間の休みを「待期期間」と呼び、これを含めて4日以上仕事を休んでいることが条件です。待期の3日間には有給休暇や土日祝日などの公休日を含めてかまいません。ただし待期期間そのものに手当は出ず、支給は4日目からです。

条件4|休業した期間について給与の支払いがないこと

休んだ期間に給与が支払われている場合、傷病手当金は支給されません。ただし給与が一部だけ支給されているときは、傷病手当金との差額が支給されます。有給休暇を使い切ってから傷病手当金に切り替える人が多いのはこのためです。

傷病手当金の支給額はいくら?計算方法を具体例で解説

電卓と書類とペンで金額を計算している様子

出典: Pixabay

計算式は「標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3」

1日あたりの支給額は、支給開始日以前の直近12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額を30で割り、その3分の2を掛けて求めます。標準報酬月額とは社会保険料の計算に使う給与の区分額のことで、給与明細や勤務先の担当部署で確認できます。

標準報酬月額の平均が30万円の場合

平均が30万円なら、30万円÷30=1万円、その2/3で1日あたり約6,667円です。30日休んだ場合はおよそ20万円になります。下の表は平均額別の概算で、端数処理の方法は加入先によって異なる場合があります。

標準報酬月額の平均 1日あたりの支給額(概算) 30日分の概算
20万円 約4,444円 約13.3万円
25万円 約5,556円 約16.7万円
30万円 約6,667円 約20.0万円
40万円 約8,889円 約26.7万円

加入期間が12ヶ月未満の場合の計算

被保険者期間が12ヶ月に満たないときは、「支給開始日が属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額」と「全被保険者の標準報酬月額の平均額」のいずれか低い方で計算します。後者は2026-09-03時点で、支給開始日が2025年4月1日以降の場合32万円とされていますが、年度によって改定される可能性があるため協会けんぽの最新の案内で確認してください。

傷病手当金はいつまでもらえる?支給期間1年6ヶ月のルール

支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6ヶ月です。ここでいう1年6ヶ月は「暦の上での期間」ではなく「実際に支給された日数の合計」で数えます。

2022年1月の改正で「通算」に変わった

2022年1月1日施行の健康保険法改正で、支給期間の数え方が変更されました。改正前は支給開始日から暦の上で1年6ヶ月が過ぎると、途中で復職していた期間があっても残りは受け取れませんでした。改正後は復職して給与を受けた期間は消費されず、再び休んだときに残りの日数を使えます(HRプロ)。

治療と仕事を両立しながら復職と休職を繰り返す人にとって、この通算化は受け取れる総額に直結する重要な変更点です。

申請に必要な書類と記入のポイント

積み重ねられた書類とファイル

出典: Pixabay

支給申請書は3つの記入欄に分かれている

申請の中心になるのが「健康保険傷病手当金支給申請書」です。この用紙は本人・事業主(会社)・療養担当者(医師)の3パートで構成されており、本人だけでは完成しません。休み始めたら早めに会社と主治医の双方へ記入を依頼するのが、入金を遅らせないコツです。

記入欄 記入する人 主な内容
被保険者記入欄 本人 申請する期間、振込先口座など
事業主記入欄 勤務先 勤務状況、給与の支払い状況
療養担当者記入欄 主治医 傷病名、労務不能と認めた期間

ケースによって追加書類を求められることがある

交通事故など第三者の行為によるケガの場合は、負傷原因届や第三者行為による傷病届といった追加書類を求められることがあります。必要な様式や添付書類は加入先によって異なるため、提出前に加入している健康保険へ確認してください。

申請から振込までの流れと目安期間

ノートPCと書類が置かれたデスクの俯瞰

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提出先は協会けんぽか健康保険組合か

提出先は加入している健康保険です。協会けんぽなら加入者の各都道府県支部へ、健康保険組合に加入しているなら組合へ提出します。まず保険証で自分がどちらに加入しているかを確認しましょう。

健康保険組合のなかには、法定給付である傷病手当金に加えて独自の「付加給付」を上乗せする組合もあります。一方、協会けんぽにはこの独自の付加給付制度はありません。上乗せの有無や金額は組合ごとに大きく異なるため、加入している組合に直接確認する必要があります。

初回と2回目以降の振込目安

申請から振込までの標準処理日数について、2026-09-03時点で協会けんぽの公式サイトに明記された記載は確認できませんでした。社会保険労務士事務所などの解説では、初回は書類到着後おおむね2週間〜1ヶ月程度、2回目以降は10営業日程度という目安が共通して示されていますが、公式に裏付けられた数字ではありません。

支部や健保組合によって処理期間に差があるとも指摘されています。生活費の計画は余裕をみて立てたうえで、実際の見込みは提出先へ問い合わせるのが確実です。振込までの間に生活費が不足しそうな場合は、ひとりで抱え込まず、勤務先の人事・総務担当や社会保険労務士へ早めに相談すると安心です。

傷病手当金がもらえない・支給が止まるケース

退職日に出勤してしまった場合

「退職したらもう傷病手当金はもらえない」と思われがちですが、一定の条件を満たせば退職して健康保険の資格を失ったあとも引き続き受け取れます。これを「資格喪失後の継続給付」と呼びます。ただしこの継続給付を受けるには、退職日当日も労務不能で欠勤している必要があります。あいさつのつもりでも退職日に出勤すると、退職日の翌日以降の傷病手当金は支給されません。退職日の扱いは事前に会社と確認しておきましょう。

老齢厚生年金などを受け取っている場合

資格喪失後の継続給付を受けている人が老齢厚生年金等の受給者になった場合、原則として傷病手当金は支給されません。ただし年金額が傷病手当金の日額より少ないときは、その差額が支給されます。

他の給付と調整されるケース

同一の傷病で障害厚生年金・障害手当金を受けている場合、労災保険の休業補償給付を受けている場合、出産手当金を受けられる場合には、支給額が調整(減額)されることがあります。前述の老齢厚生年金のケースと同様に、他の給付の日額が傷病手当金の日額より低ければその差額が支給され、同額以上であれば傷病手当金は支給されない、という考え方が調整の基本です。実際の調整額は受けている給付の種類や金額によって異なるため、詳細は加入している健康保険に確認してください。

また、一度就労可能な状態に回復したあと同じ傷病で再び働けなくなった場合、休職と復職を繰り返せば無条件に支給が続くわけではありません。実際に働けるかどうかは、そのつど個別に労務不能の判断がなされるとされています(厚生労働省 こころの耳)。

なお、「医師の労務不能の判断が得られない」など解説記事でよく挙がる却下理由は、公式ページで明文化されたものとしては確認できていません。

ケース 取り扱い
業務中・通勤中の負傷 対象外(労災保険の管轄)
美容整形など治療目的でない療養 対象外
退職日に出勤した 資格喪失後の分は不支給
老齢厚生年金を受給 原則不支給(差額があれば支給)
労災の休業補償給付・出産手当金 支給額を調整

傷病手当金を受け取った後の税金・社会保険料はどうなる?

体調のことに加えて、休職中は家計への影響も気になるところです。今回の調査では、傷病手当金にかかる税金や、受給中の社会保険料・翌年の住民税への影響について、協会けんぽなど公式ページで明記された記載は確認できませんでした。断定的な情報をお伝えできる出典が見つかっていないため、詳しくは加入している健康保険や税務署、あるいは社会保険労務士に確認することをおすすめします。

まとめ

傷病手当金は、業務外の病気やケガで連続3日間を含め4日以上働けないときに、標準報酬月額の平均÷30×2/3の日額を通算1年6ヶ月まで受け取れる制度です。申請書は本人・会社・主治医の3者がそろって完成するため、動き出しが早いほど入金も早くなります。

まずは次の3つから始めてください。

  1. 保険証で加入先(協会けんぽか健康保険組合か)を確認する
  2. 主治医に、労務不能の期間を申請書へ記入してもらえるか相談する
  3. 勤務先の人事・総務へ事業主記入欄の記入を依頼し、提出先と提出方法を確認する

制度の詳細と申請書の様式は協会けんぽの傷病手当金ページで公開されています。金額の基準や取り扱いは改定されることがあるため、申請の直前に加入先の最新の案内を必ず確認しましょう。

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