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奨学金を返せないときの対処法|返還期限猶予(在学猶予・一般猶予)の申請手順【4ステップ】

結論

ここでは、返還期限猶予という制度の全体像と、在学猶予・一般猶予のどちらに当たるかの見分け方、申請までの流れを説明します。

「奨学金を返せない」「進学したのに返還の口座振替が始まりそう」。そんなときに使えるのが、日本学生支援機構(JASSO)の返還期限猶予です。毎月の返還を一定期間止め、返還期限を後ろへずらせます。

結論から言うと、猶予には在学中の人向けの「在学猶予」と、経済困難・傷病・失業・災害などの人向けの「一般猶予」の2種類があります。どちらも自分で願い出て審査を受けないと、猶予は始まりません(JASSO「返還方法・救済制度」)。

項目 在学猶予 一般猶予
対象 大学・短大・大学院・高専・専修学校に在学中の人 経済困難・傷病・失業・災害などで返還が難しい人(卒業後も含む)
主な申請先 スカラネット・パーソナルの「在学猶予願」 スカラネット・パーソナルの「返還期限猶予願」、または郵送
期間の上限 通算10年(120か月) 原則通算10年。災害・傷病などは上限の適用外
更新 在学中に申請 原則1年ごとに願い出

申請はどちらも、JASSOの本人用ページ「スカラネット・パーソナル」から進めるのが基本です。この記事では、次の4ステップで手順を説明します。

  1. 自分が在学猶予と一般猶予のどちらに当たるかを確認する
  2. 必要なものをそろえる
  3. スカラネット・パーソナル(使えない場合は郵送)で申請する
  4. 審査結果を確認し、結果が出るまで返還の請求に備える

なお、毎月の返還額を減らす「減額返還」や、返還そのものが免除される「返還免除」は別の制度です。この記事では扱わないので、JASSOの公式ページで確認してください。

申請前に確認すること

オフィスで奨学金関連の書類を確認している様子

在学猶予の対象者

在学猶予の対象は、大学・短大・大学院・高専・専修学校に在学している人です。専修学校の高等課程などは対象外とされています(JASSO「在学猶予」)。

聴講生・研究生・科目履修生や、外国の学校への留学も在学猶予の対象外です。この場合は一般猶予の枠組みである「返還期限猶予願」で申請します。

注意したいのは、返還は原則として貸与終了の翌月から数えて7か月目に口座振替で始まる点です。進学して在学中でも、在学猶予を申請しなければ返還が始まります(JASSO「返還の流れ」)。

ただし、進学先の奨学金で「採用候補者」として「進学届」を提出する際に、前の奨学生番号を入力した人は、在学猶予願の提出が不要とされています。

一般猶予(経済困難など)の対象者と収入の目安

一般猶予は、経済困難・傷病・失業・災害などで返還が難しい人が対象です。経済困難の事由は、無職・未就職・低収入の人を想定しています。

収入の目安は次のとおりです(2026-10-15時点。JASSO「経済困難」)。基準額は変わる可能性があるため、申請前に公式ページで最新の数値を確認してください。

収入の種類 目安
給与所得者 年間収入(税込)300万円以下
給与以外の所得を含む人 年間所得(必要経費などを差し引いた額)200万円以下

卒業・退学した時期が最近か、すでに一定期間が経っているかによって、申請する事由の区分(「経済困難」か、それに類する別の区分か)が異なる場合があるとされています。

どちらの区分に当たるかはここでは断定できないため、自分の卒業・退学の時期を基に、必ずJASSOの公式ページで最新の案内を確認してください。

期間の上限

一般猶予は原則1年ごとの願い出で、取得年数に制限がある事由は他の事由と通算して10年(120か月)が上限です(JASSO「返還期限猶予の手続き」)。

災害・傷病・生活保護受給中・産前産後休業・育児休業などは、事由が続く限り10年の上限が適用されません(災害は原則5年)。在学猶予も、2020年4月以降の分は通算10年が上限です。

申請に必要なもの

準備するもの ポイント
奨学生番号 申請画面で本人確認に使う
スカラネット・パーソナルのログイン情報 土日祝日も利用可。利用時間は8:00〜翌1:00(2026-10-15時点)
マイナンバーの提出状況 オンラインの返還期限猶予願は、マイナンバー提出済みの人が対象
返還誓約書の提出状況 貸与されたすべての奨学金分を提出していないと審査されない
事由別の証明書(郵送の場合) 事由ごとに異なる。JASSOの事由別ページで確認

返還誓約書が未提出だと、猶予願の審査そのものが行われません(JASSO「返還期限猶予の審査」)。心当たりがある人は先に確認しておきましょう。

スカラネット・パーソナルでの申請手順

ここでは、スカラネット・パーソナルでの実際の申請操作を、在学猶予・一般猶予(返還期限猶予願)・郵送の3パターンに分けて説明します。自分が使う方法のところだけ読めば申請を進められます。

ノートパソコンでオンライン申請の準備をしている様子

在学猶予願の申請手順

在学猶予もスカラネット・パーソナルから申請します。ログインしてから「各種手続」タブを開くまでの操作は、一般猶予(返還期限猶予願)と共通です。異なるのは、メニューで選ぶ項目が「在学猶予願」になる点です。

手順 操作
1 スカラネット・パーソナルにログインする
2 「各種手続」タブを開く
3 ワンタイムパスワードを取得する
4 メニューから「在学猶予願」を選び、「次へ」を押す
5 誓約画面で奨学生番号・氏名を確認する
6 同意画面で全項目にチェックを入れる
7 在学先の情報など必要事項を入力する
8 入力内容の確認画面で内容を見直す
9 送信し、受付完了画面が出れば申請完了

入力に必要な在学先の情報は、学校の奨学金窓口で案内を受けてから進めるとスムーズです。

スカラネット・パーソナルを使えない専修学校高等課程・高等学校の場合は、紙の「在学届」を学校の窓口に提出します。

返還期限猶予願(一般猶予)の申請手順

オンラインの返還期限猶予願は、マイナンバーを提出済みで、口座振替(月払い)で返還している人が対象です。手順は次のとおりです(JASSO「スカラネット・パーソナルでの願出」)。

手順 操作
1 スカラネット・パーソナルにログインする
2 「各種手続」タブを開く
3 ワンタイムパスワードを取得する
4 「7.返還期限猶予願」の「次へ」を押す
5 誓約画面で奨学生番号・氏名を確認する
6 同意画面で全項目にチェックを入れる
7 インターネット提出が可能か確認し、申請理由を選ぶ
8 猶予期間・理由の確認画面で内容を見直す
9 送信し、受付完了画面が出れば申請完了

申請を受け付けるのは、猶予を始めたい月の3か月前からです。それより早く申請しても受理されないので、時期に注意してください。

オンラインで申請できない場合(郵送)

マイナンバー未提出などでオンラインの対象外になる人は、紙の「奨学金返還期限猶予願&チェックシート」で申請します。事由別の証明書(市区町村長発行の原本など)を添えて郵送します。マイナンバー提出済みなら、一部の証明書は省略できます。

項目 内容
送付先 〒119-0385 独立行政法人日本学生支援機構 猶予減額受付窓口
送り方 切手を貼って郵送
提出時期(延滞なし) 希望開始月の3か月前〜2か月前の月末まで。4か月以上前は返送
提出時期(延滞中) できるだけ早く

傷病・失業・災害など、事由ごとに必要な証明書は異なります。書類の不備で返送される例も多いため、JASSO「返還期限猶予の手続き」の事由別の案内を確認してから送りましょう。

申請後によくある疑問・注意点

審査中も督促・口座振替は止まらない

申請しただけでは、返還の請求は止まりません。JASSOは次のように明記しています。

審査中は、口座振替請求、本人を含め連帯保証人(人的保証の場合)等への督促通知等を停止することはできません。
(出典:JASSO「返還期限猶予の審査」)

承認通知が届くまでは請求が続くため、口座の残高に気をつけてください。

審査結果はいつ・どこで確認できるか

オンライン申請の結果は、申請から2週間程度が目安です。混雑時は3週間以上かかることもあります。結果はスカラネット・パーソナルの「内容詳細画面」に表示されます。

本人には郵送の通知が届きません。承認された場合は、人的保証の連帯保証人にだけ通知が郵送されます。結果は自分で画面を見に行く必要があります。

猶予されても返還額は減らない

猶予は返還期限を後ろへずらす制度で、元金や利息が免除されるわけではありません。ただし、利息付きの第二種奨学金は、猶予期間中は利息がかかりません(JASSO「返還方法・救済制度」)。

申請を忘れる・不承認になるとどうなるか

不承認の場合は、返還を続けるか始める必要があります。延滞していれば延滞金がかかります。また、延滞している人は延滞が始まった年月から1年ごとに猶予願と証明書を出して審査を受けます。

延滞が続くと、個人信用情報機関に延滞情報が登録されます。延滞3か月以上が目安で、クレジットカードや住宅ローンなどの利用に影響する場合があります(JASSO「個人信用情報の取扱い」)。登録された情報は返還完了から5年後に削除されます。

まとめ

奨学金の返還期限猶予は、願い出て審査に通って初めて使える制度です。最初にやることは次の3つです。

  1. 在学中なら「在学猶予願」、経済困難・傷病・失業などなら「返還期限猶予願」と、自分の申請先を決める
  2. マイナンバーと返還誓約書の提出状況を確認する
  3. スカラネット・パーソナルにログインし、「各種手続」から申請する

申請後も、承認されるまでは口座振替と督促が続きます。返還が苦しいと感じたら延滞する前に、希望開始月の3か月前を目安に手続きを始めてください。最新の基準や必要書類は、JASSOの返還期限猶予の手続きページで確認しましょう。

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