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【台風・大雨被害】火災保険の保険金請求方法4ステップ|屋根・雨樋・カーポートの風災・水災補償、罹災証明書の要否と業者トラブル対策

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台風・大雨の被害を受けたらまずやること

台風や大雨のあとで屋根瓦が飛んでいる、雨樋が外れている、カーポートの屋根が割れている、床上まで水が入った——このときにやるべきことは2つだけです。被害箇所をスマートフォンで撮影することと、契約している損害保険会社または代理店へ事故連絡を入れること。この2つを先に済ませれば、あとの手続きは保険会社の案内に沿って進みます。

市区町村が発行する罹災証明書を待つ必要は、原則ありません。保険会社は自社の損害鑑定人が独自に損害調査を行うため、証明書の発行を待たずに請求手続きを進めてよいと説明されています(AKSAM)。

そしてもう1つ。「保険を使えば自己負担なしで修理できます」と訪ねてくる業者と、その場で契約しないこと。国民生活センターと日本損害保険協会がくり返し注意喚起している、典型的なトラブルの入口です。

台風のイラスト

出典: いらすとや

優先度 今日やること ポイント
1 被害箇所の撮影 全体像と損傷部分の両方を複数角度から
2 保険会社・代理店へ事故連絡 証券番号と被害日時を手元に用意
3 応急処置・修理の見積依頼 処置前の状態の写真を必ず残す
4 飛び込み業者への即決を避ける 契約前に保険会社へ相談

「風災」「水災」補償で何が対象になるのか

火災保険は火事だけの保険ではありません。台風・大雨による被害は、主に「風災補償」と「水災補償」という2つの枠で扱われます。どちらに当たるかで支払いの要件が大きく変わるため、まず自分の被害がどちらなのかを切り分けます。

この記事で扱う屋根瓦・雨どい・カーポートといった被害は、建物そのものを対象とする補償です。持ち家であればご自身の火災保険(建物を対象とする契約)がこれに当たりますが、賃貸にお住まいの場合、建物を対象とする火災保険は建物所有者(大家さん)が契約しているのが一般的で、入居者ご自身が加入している火災保険は主に室内の家財(家具・家電など)を対象とすることが多いです。屋根や外壁など建物本体が壊れた場合はまず建物所有者・管理会社への連絡が必要になり、室内の家財が水災で被害を受けた場合はご自身の契約する火災保険(水災補償)の対象になり得ます。事故連絡の前に、ご自身の保険証券に「建物」と「家財」のどちらが含まれているかを確認しておいてください。

項目 風災補償 水災補償
主な原因 風・雹(ひょう)・雪 台風・豪雨などによる浸水
代表的な被害 屋根瓦の飛散、雨樋の破損、カーポートの損傷 建物の床上浸水、家財の水没
支払いの要件 損害額が免責金額を超えること 床上浸水、または地盤面より45cmを超える浸水
見落としやすい点 経年劣化との切り分けを問われる 契約に水災補償が付いていない場合がある

風災補償の対象(屋根瓦・雨樋・カーポート)

風災は、強い風だけでなく雹や雪による損害も含む補償です。東京海上日動の商品解説では、風・雹・雪によって屋根瓦が飛散した場合や、雨どい・カーポートが損傷した場合が補償の例として挙げられています(東京海上日動)。

物置・門・塀といった付属建物が補償対象に含まれるかは契約によって異なります。保険証券の「補償の対象となる建物・付属設備」の欄を先に確認しておくと、連絡時のやり取りが短く済みます。

水災補償の対象(床上浸水・地盤面45cm超)

水災は要件が具体的に決められています。東京海上日動のFAQでは、建物・家財について「建物が床上浸水した場合」または「地盤面より45cmを超える浸水を被った場合」、設備・什器等については「再取得価額(同等品を新たに購入した場合の価格)の30%以上の損害」を受けた場合が支払いの要件として示されています(東京海上日動 FAQ)。

つまり、庭が水に浸かっただけ、床下だけの浸水では要件に届かないことがあります。だからこそ、壁に残った水跡へメジャーを当てて高さがわかるように撮った写真が、後から効く証拠になります。浸水した最も高い位置にメジャーの端を合わせ、目盛りの数字が読み取れる角度からカメラを構えてください。水跡が見える壁の全体像と、メジャーを当てたアップの両方を残しておくと、あとから見返しても浸水の高さがすぐにわかります。

水漏れ・地震による被害との違い

同じ「水の被害」でも、給排水設備の破損による室内の水漏れは水災補償ではなく別の補償項目で扱われます。また地震・噴火・津波を原因とする被害は地震保険の領域で、風災・水災補償とは別枠です。原因が台風・大雨かどうかで使う補償が変わるため、事故連絡のときは「いつ、何が原因で」を最初に伝えてください。

火災保険の保険金請求方法4ステップ

請求の流れは保険会社によって細部が違いますが、大枠は共通しています。東京海上日動の手続き案内でも、事故の連絡 → 必要書類の準備 → 損害の調査 → 保険金の支払いという順序で整理されています(東京海上日動 ケーススタディ)。

ステップ1|保険会社・代理店へ事故連絡する

電話または各社のWebフォームから連絡します。手元に用意しておくのは、保険証券番号、契約者名、被害が起きた日時、原因(台風・大雨など)、被害箇所と現在の状況です。

保険会社のイラスト

出典: いらすとや

雨漏りが続いているなど応急処置を急ぐ場合は、その旨も連絡時に伝えます。ブルーシートをかけるなどの処置をするときは、必ず処置前の状態を撮影してからにしてください。

ステップ2|被害箇所の写真撮影と見積書の準備

写真は「建物の全体像」と「損傷箇所のアップ」の2種類を、複数の角度から撮ります。ゾーリッヒの解説でも、損害発生直後に全体像と損傷箇所の両方を複数角度から撮影しておくことの重要性が指摘されています(ゾーリッヒ)。

スマートフォンで写真を撮る人のイラスト

出典: いらすとや

あわせて、修理業者から修理費用の見積書を取ります。屋根の上など危険な場所は自分で登らず、業者に撮影を依頼してください。

依頼先の業者に迷う場合は、契約先を決める前に保険会社・代理店へ相談してください。日本損害保険協会も「住宅修理の契約をする前に、必ずご契約している損害保険会社または損害保険代理店へご相談ください」と呼びかけています(詳しくは後述の「【要注意】火災保険申請サポート業者とのトラブル」を参照)。

ステップ3|損害鑑定人による現地調査

書類が揃うと、保険会社の損害鑑定人による現地調査が入ります。ここで確認されるのは、被害の範囲と、その損傷が申告された災害によるものかどうかです。

相談・説明をする女性のイラスト

出典: いらすとや

立ち会えるなら立ち会い、「台風の翌朝に気づいた」「その前は雨漏りがなかった」といった時系列を口頭でも伝えておくと、判断材料が増えます。

ステップ4|保険金の支払いと免責金額の仕組み

調査結果にもとづいて支払額が決まります。ここで差し引かれるのが免責金額(自己負担額)です。ゾーリッヒの解説によると、免責金額には「エクセス方式(免責方式)」と「フランチャイズ方式」の2種類があり、現在はエクセス方式が主流とされています(ゾーリッヒ)。

方式 仕組み 仮に免責金額10万円・損害額30万円なら
エクセス方式(主流) 損害額が免責金額を超えた差額のみ支払い 20万円
フランチャイズ方式 免責金額に達すれば損害額の全額を支払い 30万円

免責金額として設定されている額は保険会社や契約プランによって異なります。上の表の10万円はあくまで計算の例で、「だいたいこのくらい」という相場ではありません。実際の負担額は契約時から保険証券や約款の「免責金額」欄に記載されているため、相場を当てにせず、事故連絡の前に該当欄を確認してください。あらかじめ確認しておけば、鑑定人の調査後に支払われる金額のイメージもつかみやすくなります。

罹災証明書は必要?火災保険請求との関係

罹災証明書は市区町村が発行する公的な被害証明で、公的支援や減免の申請に使うものです。保険会社は自社の鑑定人が独自に損害調査を行うため、火災保険の請求に罹災証明書は原則として不要と説明されています(AKSAM)。

ただし、保険会社や契約内容、被害状況によっては提出を求められる場合があるとする解説もあります。「絶対に不要」と決めつけず、事故連絡の電話やフォームで「罹災証明書は必要ですか」とその場で確認しておくと、後から慌てずに済みます。災害直後の自治体窓口は混み合うため、証明書を待って請求が遅れる事態は避けたいところです。

経年劣化と判断されて支払われないケースの防ぎ方

火災保険が対象とするのは「急激かつ偶然な外来の事故」による損害で、経年劣化による損害は補償対象外です。そのため、劣化が先か災害による損傷が先かという因果関係が、支払い判断の基準になります(ゾーリッヒ)。

屋根修理のイラスト

出典: いらすとや

つまり対策はシンプルで、被害に気づいた直後に撮ることです。台風の通過日と撮影日が一致する写真は、それ自体が時系列の証拠になります。以前に屋根を点検・撮影した写真が残っていれば、被害前後の比較材料としてあわせて提出するとよいでしょう。

【要注意】火災保険申請サポート業者とのトラブル

被災後の住宅に「無料点検します」と訪ねてくる業者には警戒してください。国民生活センターの発表では、悪質な住宅修理サービスに関する消費生活相談は2008年度の36件から2017年度には1,177件へと30倍以上に急増し、2016年度以降は相談者の8割前後を60歳以上の高齢者が占めています。

保険金を使って自己負担なく住宅修理ができる、といった勧誘によるトラブルが発生しています
—— 国民生活センター(2018年9月6日発表)

悪徳商法・訪問販売のイラスト

出典: いらすとや

日本損害保険協会も2026年7月31日付で注意喚起を出しています。成功報酬型で保険金の30%程度を手数料として請求された、契約書が手元に残らなかった、解約時に高額な手数料を求められた——といった事例が紹介されており、国民生活センターへの保険金関連の相談は2010年度から2020年8月時点で累計11,261件に達したとされています(日本損害保険協会。2026-09-11時点の掲載内容)。手数料率は業者によって異なるため、30%という数字も一律の相場ではなく報告された事例として受け取ってください。

業者トラブルを避ける4つの行動

  • 契約前に必ず保険会社・代理店へ相談する。 協会も「住宅修理の契約をする前に、必ずご契約している損害保険会社または損害保険代理店へご相談ください」と呼びかけています
  • その場で署名・押印しない。 契約書の控えを受け取れない業者は論外です
  • 手数料と解約条件を書面で確認する。 成功報酬の率と違約金の有無を文字で残します
  • 契約してしまったら期限内に解除を検討する。 訪問販売・電話勧誘販売で住宅修理サービスを契約した場合は8日間のクーリング・オフができるとされています(十日町市の注意喚起

判断に迷ったら相談窓口へ。日本損害保険協会は「保険金災害便乗商法相談ダイヤル」0120-309-444、「そんぽADRセンター」03-4332-5241を案内しています(電話番号は2026-09-11時点の案内)。金融庁や国民生活センターも同様の注意喚起を行っています。

火災保険の請求期限はいつまで?保険法上は原則3年

保険法第95条により、保険給付を請求する権利は「行使することができる時から3年間行使しないとき」に時効によって消滅します(保険法第95条)。損害保険金請求権の起算点は、原則として災害により損害が生じた日とされています(ほけんの窓口の解説)。

3年あると思うと油断しますが、時間が経つほど「その台風による損害」という立証は難しくなります。数年前の台風被害で未請求のものがあるなら、当時の写真を探して早めに保険会社へ相談してください。

まとめ|台風・大雨の被害に気づいたら今日やること

台風・大雨で建物に被害が出たときの動きは、次の順番で覚えておけば十分です。

  1. 撮る —— 全体像と損傷箇所を複数角度から、気づいた直後に
  2. 連絡する —— 証券番号を手元に、保険会社または代理店へ事故連絡
  3. 備える —— 修理業者の見積書を用意し、鑑定人の現地調査に立ち会う
  4. 断る —— 「自己負担0円」をうたう飛び込み業者とはその場で契約しない

風災なら屋根瓦・雨樋・カーポートの損傷、水災なら床上浸水または地盤面45cm超の浸水が目安です。そして請求できる期間は原則3年。まずはスマートフォンを持って、被害箇所の写真を撮ることから始めてください。補償範囲・免責金額・水災補償の有無は契約ごとに違うため、保険証券と約款、そして契約中の保険会社の最新の案内を必ず確認してください。

おすすめ商品

火災保険・地震保険の仕組みや契約の見直し方をもう少し体系的に理解したい方には、次の書籍も参考になります。

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