罹災証明書はオンライン申請できる|マイナポータルでの手順と必要なもの4つ【保存版】
地震や豪雨で自宅が被害を受けたとき、最初に手に入れておきたい書類が罹災証明書(りさいしょうめいしょ)です。とはいえ被災直後に市区町村の窓口へ出向き、長い列に並ぶのは体力的にも精神的にも大きな負担になります。実は罹災証明書は、自治体によってはスマートフォンからオンライン申請ができます。この記事では、罹災証明書のオンライン申請の2つの方式、必要なもの4つ、被害写真の撮り方、発行までの流れを、2026-09-19時点で確認できた公的情報をもとに整理します。

出典: いらすとや
罹災証明書とは?オンライン申請でもらえる証明書の役割
結論から言うと、罹災証明書はオンライン申請できます。ただし全国どこでも同じ手順というわけではなく、「マイナポータル経由」「自治体独自の電子申請システム」「窓口のみ」と対応が分かれます。まず確認すべきは、自分が住む市区町村がどの方式に対応しているかです。
罹災証明書は、災害対策基本法第90条の2に基づき、災害によって住家(生活の本拠としている建物)が受けた被害の程度を市区町村が証明する書類です。申請後は市区町村の職員などによる「住家の被害認定調査」が行われ、内閣府の災害に係る住家の被害認定基準運用指針に基づいて被害程度が判定されます。区分は「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」「準半壊」「準半壊に至らない(一部損壊)」の6つです。
この判定結果が、その後に受けられる支援の入口になります。被災者生活再建支援金や応急修理制度、仮設住宅への入居、税や保険料の減免など、被災後の公的支援のほとんどが罹災証明書を前提にしていると考えられています。片付けを急ぎたくなる場面ですが、先に申請の段取りを知っておくと後がぐっと楽になります。
オンライン申請の2つの方式|まず自分の自治体を確認する
罹災証明書のオンライン申請には、大きく2つの入口があります。デジタル庁が提供する全国共通基盤「マイナポータル(ぴったりサービス)」を使う方式と、自治体が独自に用意した電子申請システムを使う方式です。どちらに対応しているか、あるいは窓口申請のみかは市区町村ごとに異なります。
| 申請方式 | 主に必要なもの | 特徴 |
|---|---|---|
| マイナポータル(ぴったりサービス) | マイナンバーカード+読み取り対応スマホ | 全国共通の入口。対応の可否は自治体ごとに異なる |
| 自治体独自の電子申請システム | 自治体が指定するもの(システムごとに異なる) | 大阪市「行政オンラインシステム」、LoGoフォームなど |
| 窓口申請 | 本人確認書類、代理時は委任状 | 開庁時間内のみだが、代理申請に対応しやすい |
マイナポータル(ぴったりサービス)経由の申請
マイナポータルで地域(郵便番号や自治体名)を指定し、キーワードに「罹災証明」と入力して手続きを検索します。対応していれば手続きが一覧に表示され、そのままスマホで申請まで進められます。実際に豊郷町や大津町がこの方式を案内しています。検索しても表示されない場合は非対応の可能性が高いので、自治体のホームページで最新情報を確認してください。
自治体独自のオンライン申請システム
マイナポータルを使わず、独自の電子申請フォームを用意している自治体もあります。たとえば大阪市は「行政オンラインシステム」から、川口市は市の罹災証明書ページから案内しています。自治体によっては汎用の電子申請サービス「LoGoフォーム」を使って受け付けているところもあります。入力項目や添付書類はシステムごとに違うため、各ページの案内に沿って進めましょう。
オンライン申請に必要なもの4つ【チェックリスト】
マイナポータル経由で申請する場合に必要なものは、大津町の案内によれば次の4点です。
- マイナンバーカード(署名用電子証明書が有効なもの)
- マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン
- 署名用電子証明書の暗証番号(6〜16桁の英数字)
- 被害箇所の写真(全景と寄りの両方)

出典: いらすとや
2つめの「読み取りに対応したスマートフォン」は、自分の機種が対応しているか不安な人も多いはずです。対応状況はマイナポータルの公式サイトに一覧が掲載されているので、申請を始める前に確認しておくと安心です。確認して非対応だった場合や、確認自体が難しい場合は、無理にオンラインで進めようとせず窓口申請に切り替えれば問題ありません。
つまずきやすいのが3つめの暗証番号です。これはマイナンバーカードを受け取るときに自分で設定した6〜16桁の英数字(署名用電子証明書の暗証番号)で、これが分からないと申請を完了できません。コンビニ交付やログインの本人確認でよく使う4桁の暗証番号とは別物なので、混同しないよう注意してください。また大津町のページには「本人からの申請のみ受け付けております」と記載があり、代理人によるオンライン申請を認めていない自治体が多いようです。代理で申請したい場合は、委任状を持参して窓口で手続きする流れになります。
被害写真は「4方向・寄り・深さ・表札」で撮る
写真は、可能な限り片付けや修理を始める前に撮影することが推奨されています。復旧を急いで撮り忘れると、被害の程度を示す材料が残らなくなってしまうためです。春日井市や横浜市の案内をもとに、押さえるべき4点をまとめました。
- 建物の外観を周囲4方向から撮る
- 被害箇所ごとに「部屋全体」と「寄り」の2枚を撮る
- 浸水した場合はメジャーなどを当て、浸水の深さが分かるように撮る
- 表札(住所・氏名の確認用)を撮る
申請から発行までの流れと目安の日数
罹災証明書の交付までには、大きく2つのルートがあります。被害が軽微な場合に使える「自己判定方式」と、職員が現地を見に来る通常の「現地調査方式」です。
| 項目 | 自己判定方式 | 現地調査方式 |
|---|---|---|
| 対象 | 被害が軽微な一部損壊(被害割合10%未満が目安) | 全壊・半壊など現地確認が必要な被害 |
| 判定材料 | 被災者が撮影した写真 | 市区町村職員などによる住家の被害認定調査 |
| 現地調査 | 原則なし(省略できる) | あり |
| 交付までの目安 | 写真判定のみで完結するため比較的短期間 | 最低でも1週間程度かかるとされる |
自己判定方式は川口市の資料や益城町などで運用が案内されています。ただし写真から被害程度を判別できないと判断された場合は、現地調査に切り替わります。
「被害割合10%未満」と言われても、自分の家がどの程度なのか、被災者自身が正確に見積もるのは難しいものです。瓦のずれや壁の一部のひび割れなど、外観から見て被害が部分的・軽微だと感じられる場合は、まず自己判定方式で申請してみるとよいでしょう。判断に迷うときは、無理に自己判定せず現地調査方式を選んでも構いません。写真だけでは被害の程度を判別できないと自治体側が判断すれば、自己判定方式で申請していても現地調査に自動的に切り替わる仕組みになっているためです。
発行までの日数は、災害の規模や申請の集中具合によって大きく変わります。大規模災害では申請が殺到し、目安よりさらに時間がかかることもあるとされています。具体的な日数は自治体・災害規模により変動するため、居住する市区町村の告知で最新情報を確認してください。
なお申請期間については、横浜市のように「原則、被災した日から6か月以内」としている自治体があります。全国一律の期限ではなく自治体ごとに定められる場合があるため、こちらも早めに確認しておくと安心です。
オンライン申請と窓口申請、どう使い分ける?
オンライン申請の最大の利点は、24時間いつでも申請でき、窓口に並ぶ必要がないことです。窓口は平日9時〜16時30分頃までの開庁時間内しか受け付けていないことが多く、被災直後は混雑もします。仕事や片付けの合間にスマホで済ませられるのは、それだけで負担がかなり軽くなります。
一方で、オンラインが万能というわけではありません。使い分けの目安は次のとおりです。
- オンライン向き: 瓦のずれや外壁の一部ひび割れなど被害が軽微で、自己判定方式の対象になりそうなケース
- オンライン申請後も対応が必要: 全壊〜半壊など現地調査が必要な区分。申請後に職員の調査や窓口での交付が発生する場合がある
- 窓口向き: 本人以外が申請するケース。代理申請はオンライン不可の自治体が多く、委任状を持参しての窓口対応になりやすい
- 窓口向き: マイナンバーカードを持っていない、暗証番号が分からない、スマホ操作に不安があるケース

出典: いらすとや
迷ったら、まずオンラインで申請してしまって問題ありません。現地調査が必要と判断されれば、その後の案内は自治体から届きます。マイナンバーカードを持っていない、暗証番号が分からない、スマホの操作に不安がある、といった場合も、無理に一人でオンライン完結を目指す必要はありません。自治体の窓口や電話で相談しながら進めることもできますし、担当窓口に問い合わせれば必要な持ち物や手続きの流れを一つずつ確認しながら進められます。
罹災証明書があるとできること・なくてもできること
罹災証明書は「あらゆる手続きに必須」というわけではありません。何に必要で何に不要かを整理しておくと、優先順位を判断しやすくなります。
罹災証明書が前提になるもの
- 被災者生活再建支援金の給付
- 住宅の応急修理制度の利用
- 公営住宅・仮設住宅への優先入居
- 固定資産税など税・保険料の減免
- 各種融資の申請、共済金の支払請求
原則なくても手続きできるもの
火災保険や地震保険などの保険金請求では、罹災証明書は原則として不要とされています。ただしSBIエフィナンスの解説によれば、添付することで被害の補強証拠となり、審査がスムーズになる場合があると考えられています。手元にあるなら出しておいて損はない、という位置づけです。
混同されやすいのが「被災証明書」です。三木町の案内によると、被災証明書は住家の被害程度を認定するものではなく、災害による「被害を受けた事実」だけを証明する書類で、非住家や車両の被害などに使われます。用途が異なるので、自分に必要なのがどちらかを確認しておきましょう。
まとめ|まずは自分の自治体の申請方法を確認しよう
罹災証明書のオンライン申請は、マイナポータル経由か自治体独自システムかに分かれ、対応状況は市区町村ごとに異なります。被害が軽微なら自己判定方式で比較的早く交付される一方、現地調査が必要な区分では時間がかかるとされています。今日できることは次の3つです。
- 居住する市区町村のホームページで、罹災証明書の申請方法(オンライン対応の有無・申請期限)を確認する
- マイナポータルで地域を指定し、「罹災証明」でキーワード検索して手続きが表示されるか試す
- マイナンバーカードの署名用電子証明書の暗証番号を確認しておく
そして、もし被害を受けたら、片付けや修理を始める前に写真を撮ること。周囲4方向・寄り・浸水の深さ・表札の4点セットを意識するだけで、その後の手続きが大きく変わります。被災してから調べるのではなく、落ち着いている今のうちに自分の自治体の窓口ページをブックマークしておきましょう。
